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2005/04/27(水)
“黒い雪が降る街”
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その街は歴史に忽然と登場した。 ある人は何かのきまぐれといい―― ある人は神の実験場といい――
そもそも、その街がいつからあるのか……。 誰が、何のために作ったのか……。
街は生産し、消費し、排泄している。 それは、あたかも街全体が一個の生命体であるかのように……。 街はまばゆいばかりの白い光に満ちていた。 それは人々が街を白に染めていったから……。 人々は、競って白い服を着て、 白いモノを好み、 白い家に住んだ。
ある時、交通事故があった。真っ赤な血が白い壁一面にばらまかれた。 救急車よりもはやくペンキ屋がやってきて白く塗りつぶした。 ある時、町中でピストルが発砲された。そのピストルもやはり白かった。 白い銃弾に当たった人は赤い血を流した。 救急車よりもはやくペンキ屋がやってきて、 人間ごと白く塗りつぶした。 そしてある時、白い車が事故を起こした。 乗っていたのはペンキ屋だった。 白と赤の海にたゆたう彼を、他のペンキ屋達が白く塗り固めていった。
人々は何故、自分の周りをそんなにも白くしたがるのか? その真の意味について考えた者はいなかった。
ある時、街に預言者が訪れた。 黒服、黒髪、黒髭の男は言った。 「白は全てを覆い隠す。それが善きであれ悪しきであれ。そしてあなたたちの心は黒く染まっている……」 それを聞いた為政者達は怯えた。 自分達の心がこの街の白さだと信じて疑わない彼等は、 預言者を捕らえると自分達の都合のいい予言に変えるように迫った。 しかし預言者は決して首を縦には振らずに、 獄中で息絶えた。
それから、街に黒い雪が降るようになった。 間断なく降りしきる黒い雪は白い壁を犯し、 白い屋根を犯し、 白い道を犯した。 ペンキ屋が繁盛したのは最初の頃だけだった。 しまいにはお互いを白く塗り立てることに熱中していたから……。 執拗な雪によって街は徐々に黒く覆われていった。 待ち全体が黒ずむ頃、人々は、街を脱出しようとした。 しかし、外に出て黒い雪にあたると白い肌や白い服が溶けてしまい、 街の外に出る事もできずに、やがて死に絶えた。
……やがて、街は黒に沈んだ。
これは“黒い雪が降る街”と言う絵本のお話です。 元ネタ知ってる人はバリバリ“あぁ〜”と思うでしょう。 今日のデザイン実習の授業で見たDVDを見てふと思い出したので載せてみました。
今日は学校で良く悩んでました(ぇ いや、2つから1つ選ぶなんて僕にはまだできませんよ(何 まあこの日記今のところ3人も僕の友達が見てるので下手なこと書けないんですよね、残念! まあ今日は思いがけない(?)嬉しいことがちょっちありましたとさ。
それにしても帰りの電車の会話はまさに桜色でした(^^ゞ
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