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2008/07/14(月)
※12日の注意書きを一読してください
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「あ、お帰り。」
見上げると美保はテレビを見たままで 私に缶ビールを差し出す。
「キモイって…。一卵性の双子の片割れが言っちゃ駄目でしょ。」
そう言いながら私は有り難くビールを受け取る。
いや、もとから私の家にあったビールなのだから 本来なら私が感謝されるべきじゃないか?
「違うよ!顔じゃなくてセリフ!」
瓜二つだが悟志よりもくりっとした瞳を大きく開けて 美保は否定した。
「あぁ。それは私も思ってた。」
ラブストーリーがホラーになる。と 同じ職種の彼女は言う。 ほぼ、私情を挟んだ評価だったが。
実際、彼の演技は完璧だった。
本人曰く、 前出演作品であり代表作となった「幽遊白書」の話題性を買っての大抜擢らしいが。
ビジュアルだけでなく役者としてドラマの主役を張れるだけの実力は兼ね備えていた。
ドラマもそろそろ終わりに差し掛かるころ。 一通のメールで携帯が震えた。
ディスプレイに表示された名前は 話題の中心にあがっていた人物だった。
《続く》
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