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2006/09/01(金)
さよならをいうために
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アオイにとって初めて付き合った人はなにもかもが新鮮でだけどなにもかもが怖かった。うまく話せなかったし、うまく愛を表現できなかった。だけど、嫌がらせやイジメを部活で受けているアオイには大きな支えで、すべてだった。彼が陸上部にいたから続けることができたし、一人ぼっちでも一人ぼっちじゃなかった。
だけどその支えが揺らぎ始めたらすべてが壊れはじめて、アオイの心も壊れてしまった。別れを一方的に告げる彼にすがりつくことも文句をいうことも、ひっぱたくこともできなかった。すべてを壊したのは今でも彼だと思っている。彼に自覚はあるだろうか、一人の人間の人生を狂わせたこと。アオイを壊したこと。いま普通に生活しているかと思うと憎しみも感じる。でも…でもまだ愛している。どうして忘れられないのだろうか。別れるときあんなにひどいことを言われて泣かされたのに。いま友達に彼の居場所を探してもらっている。あの時できなかったことをするために。できれば実際会って頬をひっぱたいてやりたい。それができなくても、電話で話をしたい。文句をいってやりたい。求めている答えが例え帰ってこなくても、自覚させてやりたい。アオイはいまも普通の生活ができない状態のこと。精神的に壊れてしまったこと。 アオイの中で本当のさよならを言うためにも…。
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