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2009/03/25(水)
つづき
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勝は静かにパーティードレスを脱ぎ捨てた。
静まり返った部屋の中窓から差し込む月明りが勝と健吾を包み込む…。
ひとしきりはしゃいだ後、疲れた体を癒す様にシーツの波に飲まれていく二人…
部屋が暗かったせいか、俺達の存在にまったく気が付かない…
息を殺すバンドのメンバー。
次の瞬間、チューニングの狂った俺のギターに指先が引っ掛かる。
!!! だ、誰だ!
健吾が慌てて部屋の明かりを付けると、髪の毛を逆立てた俺達は本来始まっていたであろうパーティーのスタイルで硬直していた。
三角形の帽子を被った俺 バズーカーサイズのクラッカーを構える誠、 つけひげ、つけめがねでカニをくわえた蓮 ピエロの格好をし、金メダルをかじるつばさ…
その俺達が見た光景は…
四つん這いになりア●ルを全開にした勝と うまい棒を握り締めた健吾だった。
次の瞬間、誠のバズーカーが暴発した…
『パ、パーテー…』
健吾が呟く…
小さな『ィ』を付けずに…
取り繕う様に誠が長ネギをスティック変わりにカウントを始める。
竹ぼうきで手首を切る蓮、
非常階段で盗んだギターを叩き割る俺、
金メダルを噛んで差し歯の取れたつばさ…
そう、もはや楽器はひとつも無かった。
勝はまだ四つん這いだ…
最後に俺はこう呟いた。
『いじめ、かっこわるい』
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