|
2007/05/02(水)
日記でSS 瑞樹を預かった佐倉の1日
|
|
|
瑞樹とネコトイレを預かって、実家に帰るアキを見送った。 その次の日の、出来事。
思えば、何度か警告があったような気がするんだよね。 朝、それらしき兆候もあったし。 珍しく落ち着きがなかったし。 何より突然のあの行為。 あそこで気付いてれば、阻止できたかも知れない。 でもニンゲンて、経験で行動するもんじゃん? ただ、ひとつだけ。 今回に限って言いつけ通りにちゃんと猫用の櫛を持って出た自分に、拍手を送りたい。
ネコのトイレは大体1日に1回とか2回。 シッコじゃなくて、デッカイ方。 アキの家に何度も泊まってるから、自然と覚えた。 朝やってれば、大抵は夜までしない。 それが例えユルユルだったとしても。
そう信じて、瑞樹を連れて外に出た。 途中まではいつも通り。 瑞樹はキャリーの底に顔貼り付けてて、ペット入れちゃいけませんよーなんてトコに入っても全然バレないくらい、存在感がない。
目的地に着いてからしばらく経ったとき、突然、瑞樹がキャリーから顔を出した。 スズと違って警戒心がそんなにないから、外に出てちょっと慣れてくると顔を出して様子を窺うことがある。 まぁ、よくあるコトなんだけど。 とか思ったら。 その直後、よっこいしょーって外に出ようと上半身を乗り出した。 普段なら絶対外に出ようとはしないから、ちょっとアセって強引に中に押し込んだ。 数秒は大人しくしてるんだけど、すぐにまた外へ出ようとする。 もう一度ムリヤリ押し込むと、諦めたのか大人しく中で丸くなった。
そのすぐ後にキャリーから妙な振動が……。 もしかしたら緊張して息が荒くなってるのかも知れない。 うちのダックスも時々なるし。 しばらくすれば落ち着くだろうと思って、そのままにしておいた。
何かがおかしいと気付いたのは、その数分後。
さっきから時々ヘンなニオイがする。田舎から送られてきた沢庵のような、何ともいえないニオイが……。 しかも沢庵とか、あるワケがない場所で。 もしかしてと思って、一旦外に出てキャリーから瑞樹を引っ張り出した。
キャリーの中を見てみたけど、何も変わったことはない。 気のせいだったのかと、瑞樹をキャリーに戻そうとしたその時。 手で押さえられてたシッポが体から離れて垂れ下がって、「ヤツ」が姿を現した。
うわーって感じの、今朝ネコトイレでお会いしましたねってヤツが。
どうやら尾を丸めたままやっちゃったみたいで、その殆どがシッポと股に付いてしまっている。 急いで瑞樹をキャリーに戻してペットショップへ駆け込んで、事情を話して店内にある台とぬるま湯を入れたバケツを借りた。
台の上で黙々と、瑞樹のシッポと股についたブツを拭う。 店内にいる客に大注目を浴びながら、一体いつの間にやらかしたんだろうとぼんやり考えた。
たぶん 瑞樹が出ようとしたあの時が、限界だったんじゃないかな。 そしてその後のヘンな振動が、丁度やらかしてるトコだったんだ。 ナンかひとこと言ってくれればさぁ、出してあげたのに。
それにしてもクサイよお前……。 ぬるま湯に店で買ったペット用のウェットティッシュを浸けて大まかに拭き取った後、持ってた櫛で細かいトコもきれいにした。 何気に持って出た櫛がこんなコトで役に立つとは思わなかったなー。 すごいぞ佐倉。さすがだ佐倉。
そうやって自分を励ましながら、見知らぬオバサンの迷惑顔を笑顔でかわし、見知らぬ子供のクサイよ攻撃を眼力でかわし、素早く処理を終わらせて店を出た。
家に着いてからシャンプーで念入りに洗う。 とりあえず「ゴメンねー」なんて謝ってみたら、返事代わりに泡が付いた尻尾で顔を叩かれた。
ペットがハラ下した時は、外に連れてっちゃーイケマセン。 (当たり前)
|
|
|