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2006/01/16(月)
一言
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数少ない自分の尊敬するある人物と、年にわずか数回だけど将棋を指す機会がある。 彼は俺の将棋の師匠であり人生の大先輩であり、俺の遺伝子の1/4を構成する漢である。
平たく言うと祖父だ。
今年の正月に恒例の指初めを行ったときのこと。 序盤は定石どおりの手順に従い淡々と勝負は進み、中盤の探りあいが激化し始めたとき彼は俺の持ち駒に目をやりおもむろに一言、こう言った!
「歩の無い将棋は負け将棋。」
将棋の世界では当たり前の格言だが、これは将棋の話ではない!人生。 そう、彼は今まさに将棋を通じて俺に生きる術を教えようとしている!!と感じた。
まったく、『味な真似』をしてくれるぜ! 師匠、さすがです! 肝に銘じます。
余談だが将棋界には歩に関する格言が妙に多いように思う。 「金底の歩は岩より堅し」「桂馬の高飛び歩の餌食」など。
歩を制する者が勝負を制する。 ジャブを制する者が世界を制する。
この日の一勝はとても価値のあるものになった。
すべての道は人の道に通ず。
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