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2006/10/20(金)
愛読書
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殆ど本を読まない私が愛読書と呼ぶ一冊の本がある。
年に数回、それを読みたくなる。
年に数回しか読みたくならないのに、なぜかいつも鞄の中に入っている。
誰の本かというと、誰の本でもない。
色んな人の詩を集めた詩集だ。
生きるということを5つのカテゴリーに分けて、その状況に合う(監修者が合うと思った)詩をまとめている。
かなりの数の詩を引用しているので、読み返す度に新たな出会いがある。
数ある詩の中で一番最初の「生まれて」とカテゴライズされたパートの一番最初(つまりこの本の初め)に、いきなり谷川さんの「かなしみ」という詩が載っている。 (この詩は素晴らしい。知らない人は今すぐチェックしてみて下さい。http://www.coara.or.jp/~miyashu/si/si1.htm)
前菜にしてはヘヴィだ。
しかも「かなしみ」を「生まれて」という項目に分類したことによって監修者の懐の深さが伺える。
それは開始ゴング直後に軽く出した右フックが読者のテンプルをあっけなく貫きダウン、かろうじて立ち上がるが、その後も荒れ試合が予想され目が離せないという感覚に似て爽快だ。
今回読み返して、中盤の「生きるじたばた」というカテゴリーに出てくる工藤さんの「ちびへび」という詩と新たに出会ったのだ。 (もちろん以前にも読んでいるのだが、以前はさほどグッとはこなかった。)
内容はこちらhttp://www.geocities.co.jp/HeartLand-Kaede/8093/poet.html#kudo
「陽気なへび飼い」を歌うミキコアラマータのライブに向かう途中の電車の中というシチュエーションが相俟って結構深い部分にじんわりと入って来たのだろう。
良い出会いには良いタイミングが欠かせないということだ。
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