日々是魂知己
〜自分勝手の極み〜
我、思う。故に知己あり。
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2006/11/15(水) 東京スイマー
駅から少し歩いたところ。

『マサコ』

店の片隅に一人の女性が座っている。

まるで小説からそのまま出てきたかのような佇まい。

決して寒くはない店内でベージュのロングコートは羽織ったまま。
長い髪は前のところで丁度よく切りそろえられている。

時折、煙草をふかしながら過去をみる目つきでローテーブルの上の何かを見つめる。

僕は不思議と、“彼女が煙の向こうに何を見ているのか”よりも先に“一体いつから其処にいるのだろうか”と考えた。

そう考えてしまうのは或いは店内に流れている音楽のせいかもしれない。

小説であれば、「ロングコートの女」は間違いなく美しい女性であるのだが、現実にはなかなかそうもいかない。

それが現実だ。

サルのカレンダーは今が世紀末であることを告げているのか。

とにかく、ミルクティを運んできてくれた女性の手は見た目よりずっと若かった。


それが現実だ。


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