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2005/03/07(月)
知恵の実を食べよう
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「智慧の実を食べよう」という本を読み終えました。 これは糸井重里のHPほぼ日刊イトイ新聞の5周年記念のイベントとして いろいろな分野における、70歳を超える長老たちによる講演会を単行本にまとめたもの。 5章からなり、それぞれにイトイさんがテーマを出してそれについて語る、というもの。 本当に面白く読めました。
何日かに分けてでも、ちょっとづつ思ったことなどをまとめられたらと思います。
第一章、詫摩武俊・心理学者・76才 テーマ「共感性の経験」 親や、祖父母との係わり合いの中で、共感する、ということを教えられ学んでいく事の大切についてが全体の趣旨。 なんだ、あたりまえの事じゃないか、とも思うけど、 なかなかこれが老人の言葉で語られると、そこはまた違う重みが出ています。 今は、時代の速度が速いためかジェネレーションギャップというものが、世代間でかなりの壁になっていると思います。 そんななかで、どうしても親や祖父母との関係が、昔に比べていびつ、というか、隙間の多いものになってしまっています。 もちろん、そうでない人も居ると思うし、それはとても幸いな事です。 ただ、やっぱり、自分自身の心の動きとかを見つめていても思うけど、 人に対して、思いやりに欠ける心持があることがあるなと感じます。 それはひとえに、共感ができにくくなっているという事が原因なのかもしれません。 ここで語る詫摩さんは、子供の頃に、ちょっとしたことで祖父にされた感謝や、 祖母に言って貰った「こう思ってるんだよね、解っているよ」 という体験を通して学んだ事を語っています。 物事を気づくきっかけなんてものはそういった本当に当たり前の事で、 あたりまえが故に、事の大きさが見えにくくなります。 彼はこう言っています 「学校の教育、テレビや新聞などのマスコミによる教育は非常に普遍的な、一般的なことであります。 親や祖父母からなされる教育は、もっと限定的なものではありますが、 人の心の深いところにまでしみ込んでいく教育なのです。」 前後するのですが、この前に彼はこう言ってます 「共感、という言葉があります。 共に感ずるというのは相手の人の心の状態がどうであるかという事を感じ取って、 その感じ取った結果を、その人に、「こうなんだよね」と伝えてやる事です。 -中略- 人は自分の心を理解してもらえたときに、その人に対して、本当にありがたいという気持ちを持つものですし、 自分もまたそういう気持ちをみつようになっていくものです。 共感ということは、非常に人間らしい感情です。」
人間の関係として、最も距離の近い家族たちから、わかっているよと言われることの嬉しさを感じれば、 おのずと、自分もそれを人にするようになるのでしょう。 もし、自分に自分の家族が出来たら、そういうふうに、感情を理解しあえたらなと思います。 それが出来るようになるまでは日々コレ修行なりね〜。
ところで、この本の装丁の絵はMAYA MAXXという人が描いているのですが、 とても迫力があっていい絵だと思います。 こういった感覚ってすごいなぁ、と素直に感服します〜。
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