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2006/11/17(金)
無題２
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ハローハロー僕は猫
この街に住み始めて随分になる
その前はどこに居たかなんて覚えちゃいないけど
そこにはおかあさんも居てとっても安心してたっけ
でも今のこの街も気には入ってる
もしここに飽きても次の街へ行くだけ
世界は僕の庭みたいなものなのさ
毎日が楽しければそれでいい
時々は辛い事もあるけれど
僕は強いから大丈夫
おかあさんもそう言ってた
さぁて
今日はどこにいこうかな
そうだひさびさに一番高い所に行ってキラキラでも眺めよう
寒くなってきたから鉄の階段がちょっと冷たいけど
今見に行かないと次行けるのは春になっちゃう
冬の鉄の階段は冷たすぎて嫌いさ
この階段を登るときはいくつ上ったか数えるんだけど
いつも途中でこんがらがってしまう
今日は１２まで数えた
新記録だ
一番上についた
風がちょっときついな
寒くて長居はできそうもないや
鉄の柵の隙間を抜けて
キラキラが一番キレイな方へ行こう
おや
めずらしい
ニンゲンが居る
子供だ
四人
どうやって入ったのかな
まいったなぁ
僕のお気に入りの場所に居るよ
さんざんからだの匂いつけておいたのに
鈍感なやつらだなあ
早く居なくならないかな
なんか言ってるな
「ちょうどあの丘の上あたりにあるんだぜ」
柄の悪い感じの子だなあ
「ここからだと暗くて見えにくいねえ」
ひ弱そうな子
「ぶー」
一番小さな子だ
「昔なら明かりがみえたんでしょうねえ」
ワンピースの女の子
「よし、じゃあちょっと行ってみようぜ」
「わあ、行こう行こう」
わいわい
そのとき一番小さな子がこっちを見た
気がした
見つかる！
慌てて身をひっこめた
強い風がひとつ
後ろから向こうへ吹いていった
丁度子供たちが見ていた方向
少しして
おそるおそるまた覗いて見たら
そこには誰も居なくなってた
おかしいな
動いた気配は無かったんだけど
落ちたのかな
その場所へ行って下を覗いてみた
別にいつもの下の景色
おかしいなぁ
まぁいいや
やっぱりここからの景色はいいな
ぶるる
随分冷えちゃった
もっと眺めていたいけど
ちぇ
あいつらのおかげであまり見られなかったよ
まぁいいや次の春まで楽しみにしとこう
そろそろ冬の準備もしなきゃいけないから
忙しくなるな
そういえばオナカもすいた
今日は公園に住んでるニンゲンのおじいさんの所に行こう
そうと決まったら善は急げだ
そしてビルの屋上にはだあれも居なくなりました。
そのビルの屋上に次の雨まで子供たちの足跡があったことは、
結局誰も知ることはありませんでした。
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