レカ郎写真記
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2009/01/24(土) 夜汽車
今日から運行を始めたSL冬の湿原号ですが、昨年私は本物のSLに会いに行ってきました。この湿原号の醍醐味はなんと行ってもDLなしというところですね。なのでモクモクと煙を上げてやってくる姿はまさに本物SLなのです。
そしてその足になってくれたのが夜汽車のまりもでした。
ご存知特急まりもは昨年9月で廃止され、まりもは最後に残った道内完結の夜行であったため、まりもの廃止に伴い北海道内から道内完結の夜行が消え去ってしまいました。そして今は夜行というものは走っていません。でも1年前を振り返ってみると画像のような光景があったんですね。
まりもの横には785系ですが、さらに奥にはスラントノーズのキハ183系の姿。これは昨年なんの告知もなく廃止されたオホーツクの夜行列車、オホーツク81号なんです。
まりもとオホーツク81号、たった1年で両方ともなくなってしまったことを考えると、夜行狩はほんとにすさまじいものだったんだなというのが伺えるでしょう。
私の夜行初体験は急行利尻でした。宗谷線急行が明日から特急になるという日、最後の日も宗谷、サロベツ、礼文と順調に運行された宗谷線急行ですが、その最後を飾ったのが夜行だった利尻でした。その利尻に乗り、帰りは新型特急のスーパー宗谷で帰ってくるというものだったのですが、それが始まりでした。
その後道内をぐるりと北海道フリー切符で2度ほど回っているのですが、その際にも宿代わりとして利尻、まりもには乗っています。残念ながらオホーツクには乗っていないんですけどね。
夜行の魅力はなんと行っても宿代わりになる上、起きたら目的地についているというものです。
寝ている間というのは旅行者にとって見れば無駄なもの。その時間を無駄なく使えるのが夜行だったんですよ。
そしてその後の行程を円滑に効率的に進めることが出来たのも夜行だったんですよね。
朝早くに到着するので、その後さらに先、もっと遠くへ・・・と1日フルに使って先へ先へと足を伸ばすことが出来た、それが夜行だったんです。
そして昨年まりもを使ったのはなんと行っても安さ。まりも限定で1万円という切符があり、さらに3000円でレンタカーオプション券が使えるという優れものでした。これだけで13000円なんです。
昼間特急ならば、R切符ですら16000円ですから、レンタカーをプラスするとなるともう2万近くなってしまうんですよね。
私は金曜の仕事の後に向かったため、当然帰りはヘトヘト・・・さすがに厳しかったので指定券を変更してもらい、3000円プラスして寝台に変更してみました。
当初、遠征後の予算が・・とか色々と考えたんです。収入の低かった私には3000円は結構痛いものでしたからね。
しかし、14系寝台はもうこれがラストかもしれない、2度と乗ることがないかもしれないということを考えると、もし今寝台にしなかったら「あの時ケチっていなければ・・・」と絶対後悔するだろうし、仕事明けの遠征でもうお疲れモード。さらに前日乗ってきた編成だったので編成内容は分かっていたんですが、帰りの私の車両がどうも簡リクの車両だったようなのです。前日乗った座席では、仕事明けだというのにあんまり寝れなかったんですよ。発車時のガクンという気動車特有の振動や音、寝づらい体制ですから目がすぐ覚めてしまうんです。なので停車駅ではほとんど目が覚めていました。そんな中で簡リクで一晩寝る・・・ダメだ!と思って寝台にしました。

その判断が大正解だったというのが半年後にまりも廃止という形で証明されてしまいました。

これで16000円だったんです。昼間特急ならば往復運賃が出るか出ないかぐらいの価格で夜行だと往復+レンタカー+寝台という技が出来たんです。

そして夜汽車には独特の空気が流れているんですよね。
始発駅を発車し、車内改札が回って少ししたあとに消灯となります。ここまでの間の時間にはなにかのんびりした空気というか、昼間特急にはない光景があったり時間が流れているんです。
矢のごとく流れていく夜景に目をやる人、軽く1杯寝酒をちびちび楽しむ人、明日の予定や行き先に関して胸膨らませ話し込む人、普段家でくつろいでいる時間を列車ですごしつつくつろぐ、こんな光景が見られるんです。
そして消灯が近くなると洗面やトイレへ向かったり、早々と寝る人。
やがて車内灯が落とされ、非常灯の電球色した明かりに包まれます。昼間特急ではありえない車内の様子なんですよね。
気動車ですから、エンジンの音、ジョイント音が車内に響く中、かすかに寝息が聞こえてくる、座席を4つも使っていても混んでいない限り何も言われない、それが夜汽車でした。それが2枚目の画像になります。
ふと目が覚めるとそこには目的地近くの景色が薄暗い窓の外に広がっている、車内は寝起きのだるい空気が流れ、そのまま終着駅に到着する。
これが夜行であり、夜行の醍醐味であり、空気を感じる列車でした。
そんな夜行も今はなくなってしまい、時間と速さばかりを求める昼間特急だけになってしまいました。これは同時にゆっくりとした時間の流れや独特の空気、旅の醍醐味みたいなものをなくしてしまったのかもしれません。確かにピューっと行けば便利で快適ですが、「列車の旅は贅沢なもの」と誰かが言ったように、ある意味旅は贅沢でなくてはならないのでは?と私は思います。車より高い金を払い、目的地に届けてもらいながら自分は寝たり飲み食いしたりただ呆然と車窓に目を落とし、いつのと違う時の流れを感じ過ごす、それが心の充電になる。これが旅のいいところだったのではないか、そう私は思うのですが。


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