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2009/05/05(火)
超
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「おい、まだかよ?」 俺は女房の背中に向かって言った。どうして女という奴は支度に時間が掛かるのだろう。 「もうすぐ済むわ。そんなに急ぐことないでしょ。…ほら翔ちゃん、バタバタしないの!」 確かに女房の言うとおりだが、せっかちは俺の性分だから仕方ない。 今年もあとわずか。世間は慌ただしさに包まれていた。 俺は背広のポケットからタバコを取り出し、火をつけた。
「いきなりでお義父さんとお義母さんビックリしないかしら?」 「なあに、孫の顔を見た途端ニコニコ顔になるさ」 俺は傍らで横になっている息子を眺めて言った。 「お待たせ。いいわよ?…あら?」 「ん、どうした?」 「あなた、ここ、ここ」女房が俺の首元を指指すので、触ってみた。 「あっ、忘れてた」 「あなたったら、せっかちな上にそそっかしいんだから、こっち向いて」
「あなた…愛してるわ」女房は俺の首周りを整えながら、独り言のように言った。 「何だよ、いきなり」 「いいじゃない、夫婦なんだから」 女房は下を向いたままだったが、照れているようだ。 「そうか…俺も愛しているよ」こんなにはっきり言ったのは何年ぶりだろう。 少し気恥ずかしかったが、気分は悪くない。
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