ぷちしょーと
UPするにはどーしようもない小ネタとか。。今はカフェとアポ中心
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2007/05/10(木) テイスト(追記)
「三原さん、ごはんできたよ」
 僕のお気に入りの赤いソファに寄りかかるようにしていた三原さんは、起きぬけの気だるそうな声で「おう」と答えてからよっこらせ、と腰を上げた。
 よっこらせなんて、「オヤジみたいだよ」とからかうと、「もうオヤジだよ」とこずかれた。そんなくすぐったくも嬉しいやり取りをしながら、向かうはキッチン。昨夜はいつもと逆に、僕のうちに三原さんが泊まってくれたから、僕が朝食を用意した。
 といっても、お気に入りのベーカリーのクロワッサンに、レタスとハムを挟んだサンドウィッチと、カリカリベーコンを乗せたサラダ。料理かも、というのはチーズ入りのオムレツくらいかな? これにジャガイモのポタージュとオレンジジュースを絞った、三原さんがいつも用意してくれるものからすれば、ずいぶんシンプルなものだ。
 一之瀬はいつも感激して食べてくれるけど、三原さんはどうだろう……ちょっとドキドキする。
 僕の心中を知ってか知らずか、
「おお、うまそうだ」
なんて喜色を浮かべて(これが多分本気だろうから余計に……だよ)三原さんは席に着く。
「簡単なものしかないけど」
「いやいや。オレはメシ作るのも好きだけど、作ってもらった料理を食べるのだって好きだぜ?」
 念のための牽制球を打ったはずが、見事に笑顔でホームラン。
(三原さんて、天然のたらしだと思う)
 僕はドキドキしながら自分の席に着いた。
(味は、調整してもらえばいいしね)
 味はまあまあだと思うけど、やっぱり三原さんの好みの味ってあると思うし。食卓にはとりあえずのソースや調味料があるから、大丈夫、だよね。
 そう僕が心中で言い聞かせているのも知らずに、三原さんが、オムレツにかぶりつく。
「お、んまい」
「!」
 その顔が、本当に、美味しそうで。
(うわあ!)
 柄にもなく舞い上がってる自分に焦る。
 おまけに、どう答えていいのかすら分からなくなって、おたおたとするのだけは避けようと、とりあえずオレンジジュースを飲む。
「味、調整してね」
 遠慮なく、とにっこり笑うのが精一杯で。
 でも、その言葉に、三原さんはきょとんと目を丸めた。
「いや、別に塩加減は丁度いいぜ?」
「えっと、塩加減だけじゃなくてね……」
「うまいもんにわざわざ味足す必要ねえだろ」
 三原さんはそう言って、箸を進めた。
 本当に、美味しそうに食べてくれる三原さんに、僕は朝からときめいてしまう。それから、ちょっとした疑問。
「……三原さんて、もっと自分の味に拘る人かと思った」
「なんだそりゃ?」
 ふと、聞くともなしに言うと、三原さんはひょいと眉を上げる。
「ほら、だって料理人じゃない。『これはこういう味』とか、隠し味はこう、っていうのがあるのかなって。勝手な思い込みかもしれないけど」
 そう言うと、三原さんは、「うーん」と少し考えるように目を上に上げた。
「つーかさ。自分の味は、自分で作れっからな」
「自分で?」
 今度は、僕が訊ねることになる。
「ああ。自分の味が食いたきゃ、自分で作ればいいだろ。まずいならともかく、美味いんだから、わざわざ作ってもらったもんまで自分の味にするなんて、もったいねえじゃん」
 ポタージュを飲みながら(これも手作り。僕の得意料理だ)、三原さんはふっと柔らかく笑んだ。
「オレ智裕の料理の味好きだぜ。お前、素材の味生かした、シンプルな味付けするよな。邪魔なもんは入れないけど、素材の味を生かすための隠し味はちゃんと知ってる。ポタージュの白ワインとかな」
 さすがと言うか、ちょっとだけ入れたワインもお見通しらしい。
「――そんなふうに言われると、僕図に乗っちゃうよ?」
 照れくさいのを苦笑に混ぜて言うと、
「おう図に乗ってくれ。そんでまたオレになんか作ってくれよな」
と、また僕を喜ばせることをいって、三原さんは嬉しそうに朝食を再開した。
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 野菜をどっかり食べたいけど美味しくなきゃやだー! という野菜が苦手な私は、一時期狂ったようにスープだのシチューだのを作った覚えがありまして、うっかりレシピ本もあります(珍しい)。でもポタージュ作ったことないな〜。裏ごしが面倒なんですよ、イメージ的に! たもんで、ポタージュの手作りって、朝できるもんかよくわかんないです^^; でもポタージュってなんか、朝食べるもののイメージが(それはカップスープ)。
 ストックってつくれんのかな。。


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