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2019/01/09(水)
チケットワン
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幸・不幸
この世に生を受けてしまったので、生きている。生きている限りは幸福な生活がしたい、良い暮らしがしたいと誰もが願っているだろう。立派な家に住み、家族全員が仲良く、愉快に暮らしたい。山海の珍味が食べたい、綺麗な洋服が着たい、新車の1台も買って遠くへドライブもしてみたい。海外旅行にも行ってみたいし、たまにはギャンブルにうつつを抜かしてみたい。出世もしたいし、毎日が健康に過ごしたい。 幸福になるための条件を挙げていったらきりがない。所謂サラ金やクレジット・カードにしても、それらの欲望を満たすためのいわば前借・ツケである。 この世の中に生きていて、何をやっても上手く行かず、何事につけてもすぐ行き詰まってしまい、悪い方へ向かってしまい、焦りがつのり思うようにならず、底なし沼にはまって、終いにはにっちもさっちもいかなくなりウツ病に罹ったり、自殺をする事にもなる。 深みにはまって行くばかりで、幸福も不幸も考えられない状態になってしまい捨て鉢になり、責任を運命の神様に任せ、惰性で毎日を送るようになる。 幸・不幸・禍・福というものも、要するに人一人一人の主観の問題で、例えばやること全てが成功裡に行っている人でも、まだまだ現状に不満で高望みをして欲望に際限がない。 何をするにしても、そういう場合は欲望に制限をかけるという事を肝に銘じておいた方がいい。 人間の生きている上ではほとんどの場合運・不運で生きていく道が決まっているものだ。 不老不死でいられるものでもなし、人間の一生というものは鍋物が煮える間に見ている夢のようなものだ。幸も不幸も夢のまた夢と言えるだろう。 生まれてしまった以上、産んでくれた者の手前、面目なく生き様をさらしているのである。 (了)
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