坊主神の徒然日記
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2006/02/23(木) ヒロシマ (not釣りネタ)
仕事で広島には何度も足を運んだが、何故かいつも日帰りという慌しさで、ゆっくり市内を見て回る機会には恵まれなかった。
太平洋戦争史に特別な思いを持っているオイラにとって、広島の平和記念公園を訪れる事は、ある意味悲願のようなものであったのだが・・・。

今回、広島から四国にかけて、計3件の商談がセッティングされ、初めて広島に泊まる機会を得た。
新幹線で昼前に広島駅に到着、現地のスタッフと食事をした後、2件の商談をこなし、午後4時半頃にホテルにチェックインした。
メールチェックと簡単な事務処理を済ませ、時計を見ると午後5時を10分ほど回っている。
一応フロントに電話をして原爆資料館の公開時間を確認すると、やはり午後5時で閉館しているという。
翌朝の開館時刻は午前8時半というから、資料館は翌朝30分位の駆け足で見学するとして、とりあえず慰霊碑への参拝と原爆ドーム見学だけでもしておこうと、ホテルを出て平和記念公園に向かった。
幸い、この時間でも外はまだ昼間の明るさを残している。

宿泊している広島全日空ホテルから歩くと、NHKビルを抜けてすぐに元安川の流れがあり、その向こうに平和記念公園が広がっている。
ホテルからは徒歩5分くらいの近さだ。

入り口から入り、すぐ目の前の資料館を抜けると、正面に慰霊碑が見えてくる。
暫く立ち止まって公園の全景を眺めていると、この慰霊碑の前には絶えず人がやってきて、手を合わせて祈りを捧げている。
中にはかなりの長時間黙祷をして微動だにしない人もいる。
その手前に何やら人だかりができているので、なんだろうと思い近づいてみると、どうやら平和団体の方々で、ここでこれから座り込みをするらしい。
この日、アメリカがイギリスと共同で1年9ヶ月ぶりに臨界前核実験を実施する事を発表したが、それに対する抗議という事だ。
戦後60年以上経っているというのに、ここだけはまだ戦争は終わっていない・・・。

慰霊碑に手を合わせて祈りを捧げ、原爆ドームの方に向かって歩いていると、外国人観光客の姿が多い事に気付く。
彼等はどういう思いでこのヒロシマを見つめているんだろうか・・・。

原爆ドームが見えてきた。
保存調査工事が行なわれていて、建物の周りには工事用の足場が組まれている。
思ったよりしっかりしているようにも見えたが、爆心直下のこの辺りでは、爆風が上方向から集中して、横からの爆風を受けにくかった為に、建物が完全倒壊しなかったのだという。
ドームの周りを一周すると、爆風で折れた支柱とか瓦礫もそのまま保存されていて、当時の凄まじさを物語っている。
ここでも多くの人が死に対する思考も許される間もなく、一瞬にして命を落としたのだろう。

帰りは元安川に沿ってホテルに向かって歩く事にした。
川のほとりでは何組かのストリートミュージシャンがギターを鳴らして歌を歌っている。
かつて水を求めて数万人という人が亡くなった川のほとりで、若者達は平和を謳歌している・・・。

最後にもう一度慰霊碑に参拝してホテルに戻り、仕事を終えてきた現地スタッフと共に喉を潤しに出かけたのだが、今日の体験と思いを話すと、「そういう事ならキチンと時間を作ってあげれば良かったなぁ、見てもらいたい所は沢山あるから」・・・
戦争を知らない世代も、自然と皆語り部になろうとしているようだ。

平和ボケしてしまった日本で、決して風化させてはいけない戦争の記憶を、ここヒロシマは必死に守っている。
日本人として、一度は訪れるべき街ではないだろうか。

現地スタッフの話では、原爆資料館を30分で見学しようと思ったら後ろ髪を引かれるだけだから、またの機会にじっくり時間をかけて見た方が良いと言われ、次回商談を約束して広島を後にするオイラであった。


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