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2012/06/18(月)
rainny days
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本格的な梅雨となりましたね。しかもビミョウーに寒かったり暑かったり。体調にはおきをつけ下さいませ。ところで放置しっぱなしですいません〜夏の原稿にはまだ間があるんですが実は当落待たずに7月に別ジャンルのオンリーに申し込んでしまって連チャンでイベント参加ですよ。ひー。軽い話を書くから平気だろうと思ったのが大間違い。 ですのでもうちょっとこちらの更新はないです。短いのならなんか投下するかも。ダウンロードの方もちょっと無理かなぁ。待ってる方すいません。 でおなじみの季節SS書きましたー。ほのぼののつもりだったけど何故かアダルトになった一品でございます。
Game in the rain
来てくれるかな、見つけてくれるかな。そのわくわくは子供の頃の遊びに似ている。 「・・やみそうにないな」 電話ボックスの中から雨にけぶる公園の森を見つめていたロイは軽くため息をついた。 雨期の季節を迎えたアメストリスの天候は猫の目の様に変わりやすく傘を持ち歩く習慣のない国軍大佐はふいの雨に電話ボックスへの退避を余儀なくされた。すこし待てば止むだろうとたかをくくっていたが雨はいよいよ本降りになりこのまま司令部に帰れば濡れ鼠の姿を厳格な副官に見られるのは必定。 そうなればこっそり抜け出して人気のない公園の散歩を楽しんでいたのもばれてしまうし、溜まった書類を前に彼女が愛用の銃を抜くのは火を見るより明らかだ。 「・・仕方ないあの駄犬の世話になるか」 これ以上待っても天候の回復は望めないと判断したロイはポケットからコインを取り出すと馴染みの番号を回す。面倒な外線の手続きを経て受話器の奥から聞こえてきたのは煙草で掠れたいつもの声。 「・・どこにいるんです、あんた」 声を潜めているのは件の副官が大部屋にいるのだろうかと思いながらロイは楽しげに告げる。 「ゲームをしよう、ハボック」 「あんたねぇ!」 「私はイーストパークの電話ボックスにいる。知ってのとおりこの公園には出口が3つあってそれぞれに電話ボックスがある。そのどれか1つに私がいる訳だがお前1発で当てられるかね・・当ったらご褒美やるよ」 クスクスと挑発するように言えば受話器の向こうの気配が変わる。そうまるで猟犬が獲物に向って飛び出そうとするみたいな獰猛な空気。 「忠犬を舐めちゃ困りますな、ご主人様」 「言うじゃないか、私の駄犬」 おいで、早くと囁く様に言えば叩き付けられる様に電話は切れる。あの茫洋とした男が時折見せる精悍な眼差しを思い出しながらロイは国家錬金術師の証である銀時計を取り出してぱちんと開いた。 ここに真っすぐにくるにはアイツの足なら大体15分・・他の所を回って来たらそれ以上掛かる。リミットは15分という訳だ。そうなればアイツの勝ち。 「・・たまには雨も悪くない」 ご褒美は何にしてやろうかなと思いながらロイは雨の中走る猟犬の姿に思いを馳せた。
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