日々是不穏
ホームページ最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2012年8月
前の月 次の月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
最新の絵日記ダイジェスト
2016/07/24 猫あつめパロ23
2016/06/20 近況報告
2016/05/29 残念ながら
2016/05/09 ねこあつめパロ22
2016/05/01 ことわざみたい

直接移動: 20167 6 5 4 3 2 1 月  201512 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  201412 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  201312 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  201212 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  201112 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  201012 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200912 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200812 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月 

2012/08/25(土) 取り急ぎ
やっと夏休みになったー。明日から3日程現実から逃避します。暑さでぐたぐたになった体を癒すんだ!

通販報告 8月22日にまでに入金した方→8月25日に発送しました。

2012/08/19(日) SHERLOCK2 最終話感想 ネタバレあり注意
アメリカドラマではありえない鬱展開で終わったSHERLOCKですがもう少しなんとかならなかったのか。正直見てるのが辛かったです。やっとあのクセのある顔もハンサムだと思えるようになったのに(泣)しかしモリアーティの執着半端なかったですね。はっきり言ってあれは無理心中にしか見えない。彼が先に引き金引いたのも必ずシャーロックは後を追うと確信-というよりそうするしかない状況に追い込んだわけで。言い換えればあの冷血漢が実は自分の友人の命を守るためならその身を投げ出すような男だと見切ったあるいは夢みたモリアーティこそかなりのロマンチストだったのでは?
原典どおりに自分の死を偽装したシャーロックですがあれ一体どうやったんでしょうね。まず、あの周辺にいた人間は全て彼の配下のホームレスだった。ワトソンの位置からだと飛び降りる瞬間は見えても地面に激突するのは角になって見えない。
だから傍に止まってたトラック(?)あれ怪しいな。きっとあの上に飛び降りて(もちろん先に手配済み)タイミング良くワトソンが自転車に突っ込まれて倒れてる間に(これも仕込み)自分は血のり付けて地面に倒れる。脈は確か上腕に止血帯付けてれば誤摩化せる(似たようなトリックがクリスティの短編にあった)後は素早く周りの人間が引き離せばオッケー。もちろんモリーが協力してるから検屍もクリア・・というような感じでしょうか。BBC様種明かしのためにも3シーズンをぜひっ!

2012/08/13(月) 暑かったですね
いや本当に暑かった〜です。夏コミ。にもかかわらずお出で下さった皆様ありがとうございますー。皆様がそうやってエネルギーを与えてくれるから続けられるんだなぁとしみじみ感謝しております。毎度差し入れも本当にありがとうございます!コスプレ猫耳大佐に本買ってもらう経験も初めてでした、嬉しー。やっぱイベントに参加するのは楽しいですね。これからもがんばらねば。

新刊通販開始しました。ところでダブルハボック9「MASQUERADE」の在庫が残り1冊になりましたので先着順とさせて頂きます。

「SHERLOCK」終わってしまいましたね!あの鬱展開には色々言いたい事がありますがそれは来週にでも。今はこれが書きたい。こんな風にほのぼのするような3シーズンを作って下さい、BBC。

「He is」
どんな男かと問われて僕は少し頭を悩ませた。彼の人となりを語るエピソードはあり過ぎて選択に迷うから。
「そうですね・・つい昨日彼はこのベーカー街の部屋に入ってくるなりこう叫びましたよ」

「ロンドンは一体どうなってしまったんだ、ワトソン君!」
「は?一体何の事を言ってるんだ、シャーロック」
「何がじゃないよ!そこら中に交通規制が張られるし、渋滞でタクシーは1ヤードだって進まない。街には外国人が溢れどの窓にもユニオンジャックがはためく」
「・・そりゃ当たり前だと思うけど」
「何処がだ!女王の在位60周年記念はとっくに終わってるだろうが!仕方ないからチューブでスコットランドヤードに行ったらレストレイド達は出払ってるしモリー達鑑識の連中はテレビにかじりついている・・・大規模テロでも起きたわけでもあるまいし」
「シャーロック君、まさか今ロンドンで何が行われてるか知らない訳・・ないよな?これを見ろよ」
テレビに映るのはランナー達が見慣れた町中を疾走する姿が映し出されている。はためく旗には5つの輪のマーク。誰が見たって、いやロンドン市民なら知らないわけないのに彼は心底判らないといった表情で言った。
「これは何だ?ワトソン君。駆けっこかい?」

2012/08/06(月) 夏コミ新刊プレ [Not Dream] その二
「困った事が起きたのだよ、マスタング君」
その男が東方にやって来たのはハボックから最後の連絡があった次の日だった。明日には戻るから残業は無しにして下さいよと念を押され緩む頬を抑えながら必死に書類と格闘していた午後
「これは・・サザック将軍。お出でになってるとは知らず挨拶にも行かないで申し訳ありませんでした」
南方司令部のトップにしてブラッドレイ大総統の側近中の側近と恐れられる老人は幾多の権力闘争に打ち勝ってきた狡猾な狐だ。セントラルの親友も徒に敵にするなと以前忠告してきた程の人物の来訪にロイの顔も自然緊張する。
「なにセントラルに行く途中グラマンの皺面を見に寄ったにすぎんよ。仕事の邪魔をしてすまない」
笑う顔は好々爺に見えるが油断は禁物。軍上層部にはこういう年老いた妖怪変化が沢山巣食っている事をロイはよく知っていた。
「野戦指導にそちらの教官を派遣してくれて助かったよ。さすがイシュヴァールを経験した兵士を擁する東方軍だ。同じ最前線でも小競り合いしかないうちとは気構えが違う。特にハボック少尉・・だったか。彼は大変優秀な兵士だね。模擬戦でもうちの兵が誰も歯が立たないと上官共が嘆いておった」
「・・お褒めの言葉ありがとうございます」
思いがけない名にロイの緊張は一気に高まる。まさか司令部直々の引き抜きはないだろうがあの金髪の大型犬は過去に北の女王に所望されたことだってあるのだ。
・・あの駄犬共。他所では手加減しろとあれほど言ったのに!
アンタの名誉に関わる事だからそんな事はできません。
そーだよロイの番犬は牙が鋭いって事奴らにしらせなきゃ。
飼い主の心も知らずへらりと笑った笑顔が目に浮かぶ。その笑顔にどんな好条件をつけても譲らないぞと誓ったところで次の相手の言葉にロイは凍り付いた。
「そのハボック少尉だが困った事に昨夜憲兵に逮捕されてね。容疑は殺人と麻薬の密売だ」
「まさか・・」
「信じたくない気持は判るがこれは事実だ、マスタング君。ジャン・ハボック少尉は一昨夜とある歓楽街の一角で憲兵隊に逮捕された。当時その周辺で言い争う声と悲鳴のようなものが聞こえたと通報があり憲兵が付近を捜索中に少尉を発見。職務質問した所逃げ出そうとしたのでその場で確保、憲兵本部にて取り調べを行ったところ所持品からこれが発見された」
ごとりと机の上に置かれたのはビニール袋に入った血染めのコンバットナイフでそれはハボック愛用の品だ。柄の所にJ・J・Hと彫り込まれてるそれがハボックの手の中で必殺の武器となるのをロイは何度も見ている。
「このナイフについた血と被害者の物が一致。しかも被害者の服から彼の指紋も検出された。被害者はレス・カーソン。その辺りを縄張りにしている麻薬の密売人でハボック少尉のポケットに入っていたのがこれだ」
小さなビニールの袋に小分けされた白い粉。イーストシティでもその撲滅に何度も軍が関わっていたからロイにはそれが何だかすぐに判った。
「通称ブラックシープ。サウスシティで流通し始めた新手の麻薬だよ。値段が手頃な割に効果が長続きするとジャンキーの間では評判の品で最近は品薄から売人と客の間に小競り合いが絶えないらしい。この場合もそうじゃないかな?薬を買おうとしたたハボック少尉とカーソンの間に争いがあって・・」
「ありえません!」
聞くに耐えない話にロイの限界もここまでだった。大事な部下を殺人犯どころかジャンキーにされて黙ってられる訳はない。「ハボック少尉は麻薬になぞ決して手にしませんし民間人を手にかけるような男でもありません。失礼ですが将軍それは何かの間違いではないですか?」
「何一つ間違いなぞないよ、マスタング君」
ロイの反発なぞ想定内なのだろう。顔色一つ変えずに老人は数枚の書類を机の上に投げ出した。
「物的証拠、証人、目撃者・・それに本人の自白まであるのだ。ここまで揃ったものを覆す事なぞ例え大総統閣下だって不可能だろう・・そうは思わんかマスタング君」
「・・何が望みなんですか、サザック将軍」
つまりこれは最初から用意された事実でおそらく実際は何一つ起ってないのだろう。多分ハボックは南方軍に人質として囚われてサザックの来訪はその交渉という事だ。そう腹を括ったロイは逸る心を抑えて相手の出方を伺うが
「いいや、何も」
老人はただ首を振って笑うだけだ。

中略

『だからって!ここでこのままのたれ死にするつもりかよ、ジャン!』
「・・それも良いか。ここから脱出したってもう大佐は俺らを必要としてくんないもんなぁ」
『ジャン!』
相棒の意外な脆さにジャクリーンは何とか気力を持たせようと叫ぶが効果はない。飄々と人生を渡っていく片割れには何事にも動じない強かさと他人を思いやる優しさがあった。それだから魂だけの自分を受け入れ人生を分けてくれたのに無力な自分は絶望の淵に沈んでいく彼を救う事もできない。
『ジャン、なぁ聞けって!あれは違う、ロイじゃない。俺には判るんだって!』
必死の呼び掛けにも心を閉ざした片割れは応えない。熱と痛みに苦しむ体ではいくら片方は気力が残っていても腕1本上げる事すらできず意識を保つ事すらままならない。
畜生!このままじゃマジヤバい。何とか生き延びてロイに会わなけりゃ・・
相棒共々こんな穴蔵で自滅する気はさらさらない。せめて熱に震える体を抑えようと傷ついた大型犬は腕をまわしてうずくまる。その姿はまるで野生の獣が自らを癒すようでもありまだ生まれぬ胎児のようでもあった。

2012/08/04(土) 夏コミ新刊プレ [Not Dream] その一
「寝るんじゃねぇ、この野郎!」
怒声と共に浴びせられた濁った水が顔を直撃し遁走しかけた意識を強引に呼び戻した。腫れ上がった目は少ししか開かず狭まった視界にぼんやり見えるのは見慣れた軍用ブーツ。
「夢の中に逃げようたってそうはいかんぞ?お前が組織の事を話すまで一睡だってさせるものか、起せ」
力の抜けきった体を無理矢理起され苦痛の声を上げても何の反応もない。そのまま固いスチールパイプの椅子に腰掛けさせられぐらりと落ちかけた頭を後ろから誰かが金髪を掴んで止める
「さぁ、手間をかけさせるな。今度こそ真面目に答えろ」
「っつ・・」
いきなり目の前に電気スタンドの明かりが突きつけられ蒼い瞳が眩しさに歪む。顔を背けてそれから逃れようとしても後ろでがっちり固定された頭は動く事もできない。
「まず、名前、住所、それに生年月日」
事務的な声は苛立を隠そうともしない。何度も同じ質問をしてきたからだろう。
「ジャン・J・ハボック・・階級は少尉・・所属は東方・・」
「いい加減にしろ!」
怒声と共に頬を鋭い痛みが走ってぬるりとまた口の中に鉄錆の味が広がるが声は止まるどころか
『所属は東方司令部、ロイ・マスタング大佐付き護衛官・・そう何度もそう言っただろがこのボンクラ共!』
突然スイッチが切り替わったかのように一気に凶暴な叫びとなって質問者を襲う。そのまま相手の胸ぐらを掴もうと腕を伸ばした所でがっと背中を撃ったのは警棒の一撃。容赦ないそれにうめき声を上げながら机に伏せた男の顔をまたスタンドの冷たい明かりが照らした。撲られて目鼻も判らない程腫れた顔は若い男のものだ。汚水と泥で汚れた頭に鈍く光るのは金の髪。意識が戻ったのか薄らと開いた瞳は深い蒼ーだが時折それがすっと氷のように薄く変わるのを質問者は気づいてはいない。
「まったくここまで往生際の悪い男は見た事ない。いいか貴様その節穴の目でよく見ろ?これが何だか判るな」
目の前に突き出されたのは一枚のカードだった。顔写真が右端に貼られ左には名前、住所など個人情報が書かれたそれにはグリフォンの紋章が透かしで入っている。アメストリスの国民で成人なら誰でも持ってるものー身分証明証だった。
「こいつは貴様の財布に入っていた物だ。写真も貴様の物だしこちらでも詳しく鑑定したが偽造だという証拠はでなかった。
つまりこれは貴様の身分証明書でここに書かれている通り貴様の名前はジャック・ストレイ、出身はここ南部のサウスシティで職業は輸入業者・・っとこれは見かけだけだけだったな」
「・・んなもんいくらでも偽造できる」
何度も見たのかもう驚きもなくハボックはそれを一瞥すると鼻で笑った。
『俺の名前はハボックで職業は軍人。そんな紙切れ一枚で変えられてたまるかよ』
ぺっと朱が混じった唾が机に吐き出され後ろの男がまた警棒で叩こうとするが
「まあ、待て軍曹」
手の一振りでそれを止めた男は黒い軍服姿だった。それはこの国で治安維持の役を担う憲兵所属という事を表す。
「こちらも民間人を・・おっと君の主張だと軍人だそうだが不用意に痛めつけるのはまずいんでね。どんな荒唐無稽な言い分ももちゃんと裏付けは取るんだよ。二日前に貴様がサウスブロンクスの安宿で死体と一緒に発見されてから聞かされ続けた言い訳にこちらもうんざりだったがちゃんと東方司令部ロイ・マスタング大佐には問い合わせをしたんだ」
ロイ・マスタング大佐ーその名を聞いた途端蒼い瞳に生気が戻る。期待に輝く顔はしかし
「ジャン・ハボック少尉は確かに東方司令部に存在する。だがそれは貴様じゃない。何故なら彼はちゃんと今現在東方司令部にいるからだ」
予想もしなかった返事に凍ったように固まった。
「・・ウソだろ」
『それって何の冗談だよ』
「向こうもこんな問い合わせに随分驚いたらしい。そりゃイシュヴァールの英雄の部下がこんな所で殺人事件に巻き込まれたました。なんて言われても返事のしようがないだろうさ。それでもさすがは英雄だ。きちんと文書で返事を送ってきた」
ぺらりと目の前に広げられたのは軍の公文書に使われる書類だ
タイプで打たれた文の末尾を飾る流麗な署名はもうすっかり馴染みのもの。
「貴官が問い合わせのジャン・ハボック少尉は確かに東方司令部に所属し私の護衛官を長年勤めております。しかしながら彼はサウスシティに行ってはおらず今も東方司令部で職務に励んででいる事は私が保証いたします。よって貴官が捕えた容疑者は
ハボック少尉と全くの別人である事は確かな事実です。念のためにハボック少尉の軍籍証明書を同封いたしますのでご確認ください・・だとさ」

中略

「いい加減にしたまえ」
涼やかな声が緊張しきった空間に響いた。その瞬間弾かれたように蒼い瞳が声のする方を向く。
「大佐!」
『ロイ!』
声の主はエレベーターの中にいた。非常事態に止まったままの金属の籠からこちらを見下ろす黒曜石の瞳は確かにハボックの飼い主のものだ。歓喜の声を上げる部下に冷徹な瞳が緩んだように柔らかい光を宿し白い手袋をはめた手が誘うように差し出される。それに見とれた男は一瞬何もかも忘れた。ここが敵地であることも自分達がどういう状況にあるのかも。
『・・・ロイ?』
差し出された手の中に握り締められてたのが小さな拳銃だと判った時も蜘蛛の糸に絡められた虫のようにハボックの体は動かなかった。


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.