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2014/01/06(月)
SS「HAPPY NEW YEAR!」
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「HAPPY NEW YEAR!」
きいんと凍った冬の空気は痛いほどだ。しかも風がびゅうびゅう吹いているから厚いコートとマフラーしてても寒さは身を切るように鋭い。 くぅ〜 それは自前の毛皮を持つ犬だって同じ事。すっぽりと防寒毛布を被せてあっても尻尾は股の間で縮こまっている。 く〜ねぇ『しんねん』って何時来るの、大佐 「ああ、ジェイ寒いかい?中に入っててもいいんだよ、お前は」 わぅ!やだ一緒にいる!別に俺寒いの平気だもん! ぶんぶんと首を振る犬をロイは毛布ごと抱きしめる。 「ちぇ、いいな相棒」 その傍らで拗ねるのは護衛兼恋人のハボック少尉だ。本当なら彼だって犬ごとロイを抱きしめたいのだがここは東方司令部の屋上で回りには同僚達の姿もある。半ば公認の間柄とはいえさすがにそれはできない。 彼らの見詰める先には灰色と青が混ざったような空が広がっていた。毛糸のように白い雲が幾筋も天を走りぼんやりと明るい空間が広がっている。 「あ」 く? その一角がじわじわと赤く染まる。鮮やかな色は無彩色の空を一気に染め上げそこから一筋の光が雲の隙間から彼らを照らした。 「HAPPY NEW YEAR!」 誰かが叫びそれに皆が呼応する。ポンと音がしてシャンパンの栓が抜かれグラスが配られる。 「HAPPY NEW YEAR!、大佐」 「今年もよろしく、少尉、ジェイ」 カチンとグラスを合わせる2人の下で金色の大型犬が わん?ねぇそれで『しんねん』って何処?大佐 人間達の様子を不思議そうに眺めていた。
あけましておめでとうございます。って明日から仕事ですよ(泣) 半分冬眠状態のサイトですが今年もよろしくお願いします〜
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