|
2016/03/20(日)
ねこあつめパロ20
|
|
|
数年前科学の世界に将来を嘱望された研究者がいた。明晰な頭脳に大胆な発想、そして研究にかける情熱。どれをとっても他人に引けを取らない彼はある時一つの理論を見出す。これが証明されればどれだけ賞賛されるかわからないその研究を信頼していた彼の上司が自身の功績として発表した事が事件の始まりだった。完璧とされた理論には実は致命的な欠陥があったのだ。彼はその可能性に気づいたからこそその研究を発表しなかったのに中途半端にデータを盗み見た上司はそこに気づかず発表してしまったのだ。最初絶賛されたその研究の欠陥が外国の研究者に指摘され非難が集中した時上司は全てを彼のせいにして口を噤んだ。一言の弁解もしない彼を世間は詐欺師とあざ笑い彼は職場も名誉も全てを奪われ姿を消した。 その1年後海外の雑誌に今度は完璧な理論が発表され幾つもの賞に輝いたが論文を送りつけた研究者がメディアに出る事はなくただ彼の名前だけが記された論文のみが世に残った。 研究者の名はロイ・マスタング。友人達からは黒猫と揶揄された彼の人の名はかつて学会を追われた男と同じ名前だった。
|
|
|