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2006/10/17(火)
久方ぶりに
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言ったとおりに、うたわれレビューだってしてません。さかなです。やっぱり思いつきはよくないですね。
対して大事はしないのですが。そういえば、最近犬姫をメッセで見ていない気がするですよ。猫姫は割と見るはず。学祭近いが来るのやら来ないのやら。先輩も来るのやらこないのやら。
とか書いてるだけなのも芸がないのでひとつ投下。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ハクオロさ〜ん、ハクオロさ〜〜ん。」 「ん、どうした、エルルゥ。」 縁側でくつろいでいたハクオロは、呼ばれて顔を向ける。 「えっと……」 ぱたぱたとやってきたエルルゥは、胸元に葛餅の皿を抱えていた。 言いにくそうにしながら、もじもじとハクオロの顔の辺りを見ている。 「葛餅、作ってみたんですよ。だから……」 「ああ、頂こう。」 「はい!」 言いよどんでいるエルルゥの語尾を引き取って、ハクオロは皿を受け取った。 「ハクオロさんは、フォークと楊枝、どっちがいいですか?」 「じゃあ、楊枝で。」 差し出されたうちから、楊枝を一本受け取り、ハクオロは皿の葛餅に手を伸ばす。 半透明に透き通った餅は、たっぷりの黄粉がかけられて、素直においしそうだった。 「いただきます。」 「はい、めしあがれ。」 手に持った楊枝を葛餅に突き刺して、ハクオロは口に運ぶ。 ひんやりと気持ちのよい冷たさと、適度に歯を押し返すぷりぷりとした歯ごたえ、そして口に広がるかすかな甘味がうまく混ざり合っていた。 「うん、うまいな。」 「あ、そうですか? よかった〜。」 少しだけ不安そうにしていたエルルゥは、ハクオロの言葉にぱっと顔をほころばせる。 口の中のものが無くなるのにあわせて、次を補充しようとハクオロは手を伸ばす。 エルルゥもフォークを使って、葛餅を口に運んでいく。 元々そんなにたくさん入っていたわけではないので、皿はすぐに空っぽになった。 「あ」 最後のひとかけらを捕まえたのはエルルゥのフォークだった。 行き場をなくしたハクオロの楊枝が宙を舞い、その口からは少し残念そうな声が漏れた。 それを聞いて、半分だけかじっていたエルルゥが口元から葛餅を離す。 ハクオロと葛餅を見比べて、何を思ったか、それをハクオロの口元に差し出してきた。 「あ、あーん。」 「い、いや、それはエルルゥが食べればいい。」 エルルゥが、自分のかじった葛餅を、ハクオロの口元に、差し出しているのである。 身を引き気味に、軽く押し返そうとするが、ひいてはくれない。 途中で、エルルゥが自分のしている事に気づいたらしく、一気に頬を染めたが、それでも手を引かなかった。 「ハクオロさん……」 やがて、雰囲気に流されるようにハクオロの口が葛餅に近づいていく。 あと二センチ、一センチ、五ミリ……ゼロ。 「ズルイ。」 割って入ったのは、少し眠たげな声だった。 「アルルゥ!?」 耳をピンと立ててあとずさるエルルゥ。腰元の尻尾もピンと立って大きく膨らんでいた。 口の葛餅が飛び込んだらしく、ハクオロはむせ返っている。 「だ、大丈夫ですかハクオロさん!」 「あ、ああ、大丈夫だ。」 慌ててハクオロの背中をさするエルルゥに、アルルゥが恨みがましい視線を向ける。 「お姉ちゃんばっかりズルイ!!」 そう言ってハクオロの背中にしがみつくアルルゥ。 「アルルゥもする。」 そう言って、手に持っていた蜂の巣を噛みきり、ハクオロに差し出した。 「あーん。」 (う、ぁ) 伸ばされる蜂の巣の正面には恨めしげなエルルゥの顔が。 「おと〜さん? あーん。」 かといって、アルルゥの蜂の巣を受け取らないワケにもいかない。 いつものように板ばさみを感じながら、ハクオロは戸惑っていた。 「もう、離れなさい、アルルゥ!」 「や」 嫉妬が多分に混じった声で妹に怒るエルルゥだが、アルルゥはそんな事を意に介したりはしない。 「アルルゥ!」 「うるさい、エルンガー。」 エルルゥの、耳が、立った。尻尾が、膨れて、大きく、広がった。 「ア・ル・ル・ゥ!」 「ムックル!」 危険を察知して、アルルゥはハクオロの口に蜂の巣を押し込んでそばにいたムックルの背に飛び乗る。 「待ちなさい!」 「ぜんそく!」 そのまま追いかけっこを始めて、二人はあっという間に見えなくなった。 「……はぁ」 一人残されたハクオロは、蜂の巣を咀嚼して、ため息をついた。 まあ、割といつもの事である。
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この時代に、フォーク、楊枝、葛餅、センチ、等そんな言葉がある確証はありません。 元ネタは、コンプティークのうたわれマスターブック表紙から。
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