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自己省察
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2006年が明けた当時の私の状況は,敗戦間近というより,
むしろ既に戦後処理をどうするのかという空気がただよっていた。
この2年間の無目的な闘いとその必然たる破滅的な終局をどのように周囲に説明するのか,という空気が。
そしてその説明を元にしてどのように未来を語るのか,という空気が。
そう・・・・
未来について語ることは,現在とそれまでの過去に対する批判を否応なくせざるをえない。
確かに,この認識は当時の私にとって無意識下の認識であった。
しかしその無意識下の認識が,過酷な現実から私の目をそらせると同時に,
それに立ち向かう勇気のなさを自分以外の他の要因のせいにして,他ならぬ自分自身にウソをつかせていたのだ。
人間は他人よりは自分のウソのほうを遙かに信じるものなのだ。
ゲイリー・アルシノフ著
『専科動乱記』
終章<自己省察>
より一部抜粋
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