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2006/01/30(月) Прощайте



 信じられぬことに,彼が最後に指導教官と会ったのは2ヶ月前であることが確認された。

 そしてその時に提出された小論文は内容自体が極めて陳腐なものであり,
 またその文体にもかつての勢いはなかった。


 そうなのだ・・・ 


 彼が生命力にあふれていた頃にしっかりとつづられた文体は,
 すでにあの時完全にくだらなぬ記憶と化していたのだ!

 おそらく彼は自らの能力に対する絶望から,
 記憶を風化させることでせめてものなぐさめを得ようとしていたのだ。

 つまり2ヶ月以上も前から,彼の時間はすでに凍結していたのだった。




             ゲイリー・アルシノフ著
             『専科動乱記』
             第7章<彼等の時間,我等の時間>
  
                    より一部抜粋





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