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2006/08/20(日)
敗戦国民
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日本にいる日本人が絶対に感じさせられることのない感覚が、アメリカに住んでいるとある。敗戦国民の感覚である。日本の首相が靖国に参って外交問題になったところで、怒りは他国の話である。内政干渉とつっぱねることもできる。アメリカに住んでいると、他国の話と蹴るわけにはいかない。昨日は、このデカブの空を低く、銀の翼が飛んでいた。陽光によく輝いていた。まるみをおびた船体?だった。B17爆撃機である。戦争を知らないお客やら、かつてB17で爆弾を運んだ元軍人たちを乗せて実際に空を飛ぶツアーをしてるとか。ああ、うんざりである。最初はB29爆撃機なら、見に行かなくちゃとか思っていた。B17爆撃機が日本に爆弾を落としたかどうか私は知らない。ああ、それにしても。。日本が戦争に負けた、という歴史がたちのぼってくる。シカゴでは、この週末、エアーショーをしていたらしい。戦闘機が編隊を組んで、曲芸飛行をしたりするのを、人は口をあけて、ぼあっと空を見上げて、おお、すごい、と感嘆するのである。戦闘機の爆音はものすごいもので、だいたいあの音だけでも洗脳に十分である。そして、そういう無料のショーが、口をあけて、まるで親鳥がえさをくれるのを待っているがちょうの赤ちゃんのような人間どもにすりこむのは、「われわれが世界の自由を、われわれの自由を守っているのだ。我を見よ。かっこいいだろ」という傲慢さ、虚飾の正義感という”えさ”である。ああ、なんとみっともないことだろう。。アメリカに住んでいると、敗戦国民という思いにずっとつきまとわれるに違いない。それにしても、靖国にA級戦犯が祭られることになったのは、1978年とのこと。なんでそんなことをしたのだろう。1978年の時点で、もう「敗戦後」は終わったとでも時の政府は思ったのだろうか。戦犯の罪は消えたとでも思ったのだろうか。とんでもない。日本人なんて永久に敗戦国民なのだ。その歴史は、絶対に変えられない。
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