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2007/02/08(木)
日本語と英語
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翻訳の原稿に目を通しはじめた。日系アメリカ人の歴史を英語主流社会に向けて出すのだから、日本語で出すのとは気の使いようが違う。間違ったことを書いても、日本で出版ならどうってことないのだけど。。海外に派遣された日本人特派員の日本向け報告なんていかにいい加減なものか、わかるというものだ。(笑)今回、一番ショックだったのは、日系アメリカ人がたどたどしい日本語で「ほうちょうとれ」と言ったとき、私は、「包丁とれ」と言ったのだと思って、そう日本語の本に書いた。今回、この取材させてもらった日系アメリカ人が本を出したので、それを読んだら、彼もこの言葉に本の中で言及していて、なんと「hocho tore(march ahead)」だったというではないか。march ahead って、歩調とれ、だったの???包丁とれ、と原稿に書いたときは、収容所はえらく過激なところだったんだな、と思ったけれど、歩調とれ、では意味がぜんぜん違うではないか。あああ、このアメリカ人が子供のときに収容所で聞いた日本語の大半は、意味がよくわからなかっただろうし、hocho tore も、意味がわからぬまま、音だけで覚えた言葉ではなかったか。。英語の世界で日本語を使って生きるむずかしさは、今も昔も同じである。そしてこれが、本のテーマのひとつでもある。このエピソードは、英語版への前書きに書いておこうと思う。
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