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2007/09/03(月)
本物の言葉
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通信手段が発達したとかで、言葉が氾濫している。しすぎている、と思う。人間のコミュニケーションの現実は、非言語コミュニケーションが50パーセント以上を占めるというのに。。従来の脳の自然な働きを利用したコミュニケーションでは、言語より非言語のほうが強力だったということだ。が、通信手段が発達して、会ったことのない人との言葉のやりとりすら「友達」と呼ばねばならない今なら、言語コミュニケーションが非言語的なものを上回っているのかも知れぬ。それは、脳の自然な働きを退化させることに貢献しているにも違いない。要するに、間を読むというか、空気を読むというか、非言語的コミュニケーション、身体的感覚・知恵の本髄みたいなものが失われつつあるということだ。つまり言葉でも言い表せないような本質的なものが見失われている。飛び交う空虚な言葉に本質は宿らないというのに。宗教家・伝道者の言葉がその典型かも知れぬ。本質的なものは言葉にならない、という私のセオリーで行くと、宗教家や伝道者は言葉にならないはずのものを言葉にすることで、「真理」を広めていると自らを正当化するが、そこにあるのは言葉を操作することでコントロール支配の道具にしようとする、権力を求める政治欲を誰に否定できよう。だが、それでも本物の言語的コミュニケーションは存在する。本物だからシンプルである。シンプルだから強力である。新聞で再び読んだ、父から家族へのメッセージである。日航機墜落事故で、墜落寸前に書きとめられた言葉である。言葉を使って仕事をする者としては、本物の言葉の力とはどんなものかを忘れないように書きとめておかねば。シンプルこそ本物、饒舌は偽、と自分に言い聞かせながら。。
。。。どうか仲良くがんばって、ママを助けてください。 パパは本当に残念だ きっと助かるまい 原因は分からない 今5分たった もう飛行機には乗りたくない どうか神様助けてください きのうみんなと食事したのは最後とは 何か機内で爆発したような形で煙が出て降下しだした どこへどうなるのか 。。しっかりたのんだぞ ママこんなことになるとは残念だ さようなら 子供たちのことをよろしく頼む 今六時半だ 飛行機はまわりながら急速に降下中だ 本当に今までは幸せな人生だったと感謝している
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