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2008/09/23(火)
美しきものみし人は
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昔大好きでよく読んだ作家の一人に、堀田善衛がいる。美しきものみし人はー本の内容はきれいに忘れてしまったが、彼の本の題名である。きのうの朝、生まれて初めて、信じられないぐらい美しいものを見た。家のリビングの窓の外に、鳥のごついえさ箱をつっているのだが、その下のデッキの手すりに、二羽の鳥がとまっている。羽だけがだいだい色の雌のこまどり?である。なんと一羽は母親らしいのである。じっと見ていたら、母親は、とびあがってえさ箱にあがり、口をもぐもぐさせてえさを口に入れたと思ったら、手すりに降りてきて、子供に口移しで、えさを与えているのである。わああ。。こういうシーンを自分の目で見られるとは。。。美しい。美しすぎる。これは、テレビの動物番組ではない!(笑)そういえば、テレビの動物番組を作っている人は、こういう絵をいつも見てるのだろうが、都会育ちの私は生まれて初めてである。で、堀田善衛の本のタイトルが30年ぶりに不意に浮かんだ。「美しきものみし人は」−人生において、ただただ幸運な人ではないか。有難いことだ。二羽はまもなくどこかに飛んでいったが(子供も飛んでいった。飛べるなら自分でえさ箱に上がらないの??? えさのとり方がまだわからないのだろうか。。)口移しでえさを与える鳥の愛情?シーンから、ものすごいエネルギーをもらった。庭に出ると、わずか1センチほどの「宮崎」という名前の多年草の茎(日本語の名前だけで買ったので、植物のほんとの名前は分からず。。笑)にも、小さな花がついている。花をつけねば、実ができないんだったけ。実ができなかったら、自己保存できないんだったけ。わずか1センチでも花をつけようとするそのエネルギーが美しい。そして、秋も深まりつつある庭のすみで、真っ赤になっているちっちゃなちっちゃないちごを見つけて、口に入れた。甘い。。何の世話をせずとも、自然は恵みをもたらしてくれる。有難いことだ。エゴやらはったりで身を飾ろうとする人間どもの醜さからは遠く離れて、ただただ美しいものを探したい。美しきものみし人はー生の究極的な臨界に達したということかも知れぬ。
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