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2009/01/13(火)
黒人問題
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相変わらず、けっこう夢中になって黒人の歴史の本を読んでいる。奥が深い。それだけ黒人の歴史はアメリカ史と表裏一体ということだ。日系人の歴史なんて、吹けば飛ぶようなものだ。リンカーンと握手した浜田彦蔵さんが日米をうろうろしていたのは1850年代。そういえば、カリフォルニアの日本人が好きなジョン万次郎さんが漂流して、うろうろしていたのはいつごろだったっけ。。とにもかくにも、アメリカ史に登場した日本人と黒人とでは格が違う。なかんづく、日本人村にたむろする日本人なんて話にならない。とまで書けば、誰かににらまれそう?? (笑)今、読んでいる本で、ジェシー・ジャクソンもシカゴと縁があると知った。1964年にシカゴ新学校の学生となり、キング牧師といっしょに1966年の夏、「シカゴ自由運動」でデモ行進に参加している。かれらの運動が、シカゴの住宅人種隔離の解消を訴え、結果的に失敗したとあらためて読んで、今、住むこの町の状況が40年以上を経て、シカゴの後を追っているのでは、という感触をもっている。つい最近、娘が不動産屋をやってる友達から聞いた話を知った。連邦政府の援助で町の一角にできた公営住宅は黒人の住民ばかりで、そのあたりで犯罪が多発している、だから、町を嫌って家を売る人が増えている、というのだ。大きく言えば、この町も開発が進み、都市経済に支配されつつあるということだ。ここから少し東へ行くとは白人の町で、人種差別は厳しいと聞いている。(行きつけの寿司屋みたいに、商売をするには、郊外に逃れたお金をもった若い白人が集まる新興の白人の町が最適だろう。。)でも、ルーラルに属してきたこの町に、政府の公営住宅が建てば、郊外町化する前に、都市のドーナツ化現象に飲み込まれてしまうかも知れない。人種差別は悪い、と言うは易し、しかし現実は非常にむずかしいものがある。町に黒人が増えると、不動産価格は下落する。だから、今のうちに、と家を売ろうとするのも、十分に理解できることだ。あああ、オバマさん、黒人が大統領になった、と大騒ぎするのは簡単だし、ほんとにすばらしいことと思うけれど、市井の日常の現実はほんとに厳しい。。シカゴの超高級住宅地のあの大邸宅から見える世界に、ルーラルに誕生しつつある「新シカゴ」?はありますか??? 人種問題とは、あらゆる人間に、日々のあらゆる瞬間に忍耐を強いる問題である。あああ、疲れる、疲れる(そういえば、本を読みながら、バークレーで、私はジェシー・ジャクソンに大きな手を差し出されながら、握手しなかったことを思いだした。なぜだか知らないが、しなくてよかった、という気持ちが今だにある。。筋金入りの「牧師嫌い」かも。。笑)牧師といった指導者と、公営住宅に住んでいる人たちは別世界の人間である。それは職場でも同じだ。ああ、そういえば、その”指導者”に、”公営住宅に住む人”の世話をせよ、と、会議でかみついたことがあったなあ。。。黄色が黒にかみつくなんて、職場ではじめての”事件”だっただろうなあ。。かみついたおかげで、状況がきれいに変わったので、よかった、よかっただけれども。。ああ、疲れる、疲れる。。。この皮膚感覚を表現する能力があれば、芥川賞受賞なんて簡単なことなんだけどなあ。。(笑)
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