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2009/10/07(水)
同業者のニュース
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犯罪者の実名が本のタイトルとなり、売り出されたそうな。出版社の名前は聞いたことがないようなところ。。。となると、すぐにピンとくる。。ああ、話題を作ることで、金儲けしようとする本だな、と。それに乗ったライターも、一種の売名行為だろう。テレビで、ライターの顔を見た。まだまだ若い女の子だ。新聞報道によると、28歳だそうな。そりゃだめだ。。(笑)
ニュースによると、「ただ、そうした思いとは別に、本は、元少年や関係者との会話や手紙のやりとりを、延々と引用した記述が多い。」 「実名を出すことは、筆者や出版社の『思想』であり、一定の説得力がなければならない。今回は、こうした問題に対して真摯(しんし)に向き合い悩んだ様子が感じられず。。」「何のための実名なのか。書き手の覚悟を全く感じない。」
書き手の思想と覚悟。。。それは、すぐに生まれたり、出てくるものではない。書く人間の人生そのものが問われることである。テレビで見た若い女の子は、単に書くのが好きなような単純な顔に見えた。単に書くのが好きな人はどこにでもいる。ただ書いて、だらだらと言葉を並べるのは情報誌のレベルである。でも林真理子も言っていたように、書き終わらせるのがむずかしい。書き終わらせるとは、ある一つの思想が完結するという意味である。 「会話や手紙のやりとりを延々と引用した記述」とはまさしく情報誌のレベルだろう。でも、取材によって得た情報を思想と覚悟でもって切り返し、一つの独自の世界、メッセージを創りだすのがプロの仕事だろう。独自の世界を生み出す思想と覚悟ー並大抵のことではない。だから、プロのライターは変人でなければならないのである。(笑)テレビで見た女の子は、変人には見えなかった。書くのが好きな普通の女の子の売名本、売れて喜ぶのは出版社だけで、たぶん女の子にはお金は入らない。。(笑)そういえば、昔、「噂の○○」という暴露を主とする雑誌があって、当時ひっぱりだこだった日米評論家を私がたたいたとき、その雑誌に載せようか、みたいな話が出た。でもある編集者が、たかこさん、ああいうものに書いてしまうと、それで命が終わるのですよ、と言ってくれた。業界の不文律みたいなものがあるんだな、とあの時学んだ。おかげで、今だに書いている。そのライターに力があるかないか、結局みんな知っているのである。話題になるなら、やっぱり思想と覚悟で勝負したいものだ!!!というわけで、これからも売れない路線を守るぞ、というか、それしかない。。。(悲笑)
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