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2009/12/08(火)
デカダンス
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今日は、一日雪が降り続けるらしい。冬だ。先日、シカゴに出ていくと、ダウンタウンで物乞いをしている人をたくさん見た。雪の中で、道端に立ち、物乞いするのは大変だろう。今日は、あの人たち、どうするのだろうか。駅の中のマクドナルドの店の前で、つり銭をくれと声をかける人もいた。これまでは、そこまでやる人はいなかったような。今回の不況はかなり深刻だ。(大学の給料が減らされるかも、なんて聞くのも初めてだし。。。悲)それにしても、小銭をくれ、と手を出しているアメリカ人を見てて、思った。なんで、あんたら、レストランの裏口へ行って、ごみをあさらないの?と。私ならそうするよな、と。レストランからは、食べ残しがいっぱい捨てられてるはずだ。パンのきれいな食べ残しぐらい、いくらでも見つかるのでは。。世界中には、そうやってごみをあさり、食べ残しを食べて、生き延びてる人がいっぱいいるはずだ。ごみをあさる人はインドでも見たし、フィリピンでも見た。私の好きな辺見庸は、バングラデッシュで、金持ちの残飯が売られているのを知らずに食べたと本に書いている。世界はそんなもんなんだよ。小銭くれ、って立ってるあんたら、甘いんじゃないの、とか、えげつないことを考えてしまった。(悲)その一方、日本からのテレビを見ても、気分が悪くなってしまった。癌にかかったペット用に、動物病院が9億円もかけて、機械を導入して、ペットの癌手術をしているという話だ。飼い主は、真顔で、もう死ぬとわかっていても、最後までできるだけの面倒見ます、と悲壮な表情でしゃべる。ペットを亡くしたおばさんたちは、わざわざミーティングを開いて、これまた世界の一大事といわんばかりに、ペットの写真を片手に、動物の命を無理やりに引き伸ばすのは、動物にとって幸福か否か、みたいなことをしゃべってる。あほか。この不況下に、ペットに金がかけられるかどうか、要するに、あんたらが金をもってるだけのことだろ。そんな話を、天下のNHKが朝っぱらから、大層な顔をして、ニュースとして流すなよ。デカダンスだ!(悲)ーまずメディアが腐っている。二つめ、おばさんたち。ペットをかわいく思う気持ちはよくわかる。でも、死は必ず誰にでも訪れる。動物にだって寿命がある。そのときが来たら、黙って逝かせてやればいいじゃないか。彼らは文句を言わずに逝くだろう。もう、人間さまを喜ばせる役目は終えました、かわいがってくださってありがとう、と。その潔さは、人間の目から見れば、幸せなことだと私なんかは思う。それを、金をもってるばかりに、命の大切さとか何とか「いい人」ぶって、ペットのことで悩むなんて、ほんとにばかげている。動物にしてみれば、迷惑千万ではあるまいか。一方で、不況でいろんな人が職をなくして、毎日の生活に困っているというのに。。ペットに金をつぎこんで、ご大層に悩む暇があったら、ちょっとは人間世界に目を向けろ、あんたらに、患者を尊厳死させた医者に刑罰が与えられることについて、自分の意見が言えるのかよ、と、テレビの画面にむかってぶつぶつ。。と、こんな私を見て、あんたも暇、と笑う人もいよう。(笑)でも、思う、あのおばさんたちがペットに夢中になっているのも、しょせんバランスを崩した人間たちのエゴにすぎない。みんな内向きにエネルギーを回し、仲間内で自己満足しているだけだ。。それがデカダンスだ。日本は、とうとうデカダンスに陥ってしまったと思う。残念なことだ。きのうの朝、仕事を解雇された友達が電話をかけてきて、香港でジャーナリストをしている娘さんが言ったそうな。もう日本には魅力がないと。そうだろうなあ。。目標を掲げられず、這い上がるエネルギーを失い、ペットの死で悩むようでは。。。中国の猫はがりがりでも、ゴミ箱あさって生きてるよ。犬の癌手術の話が、朝のニュースで流れるようでは、日本はもうまったく勝ち目はない。(悲)
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