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2009/03/16(月)
病気の木とつきあう
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あの植木がやってきたのは、配偶者が手術したころだから、もう5、6年前のことである。来たときからおかしかった。葉っぱやら茎から、どろりとした液が出るのである。これは、ゴムの木の種類かしらん、と思っていた。(笑)昔、社会科の教科書で、マレーシアのゴムの木に傷をつけて、白い液をとっていた少年の顔を覚えていたから。。この植木が出すのは、使用済みの油のように、黒っぽくどろりとしていた。カーペットに落ちると、汚れは染みとおってしまって落とすことはできなかった。植木の種類がわからないから、てっきりゴムの木の一種だとか、環境が変わって調子が悪いのだろう、とか勝手に考えて、汚れたカーペットにも我慢して、大事にしていた。でもやはり一度は、アラスカで、連邦の林業部?で仕事をした配偶者は、気にかかっていたのだろう。何かの機会にプロに聞いたらしい。すると、なんと病気だというではないか。それも伝染する病気で、しかも直す薬はないと。。オーノー、どうしよう、とリビングにおいている植木をチェックしたら、もうすでに伝染している!!!! その植木は、ゴムの木とは似ても似つかぬ、薄い葉っぱをしてるのだが、薄い葉っぱをちぎると、中からそれこそ、教科書で見たゴムの液のように白い液が出てくるのだ。。オーノー。。この子も病気になってしまった。それも不治の病に。。。最初の植木は、信じて大事にしていただけに気が滅入ったが、氷点下10度か20度の冬のさなかに、戸外に出して殺した。。病気見舞いに、病気の木がやってきたのだ。。(悲)この伝染してしまった二つ目の木も病気だと知って、最初に浮かんだのは、正直なところ、忌むような気分だった。(悲)病気と知って、なにやらやっかいものをしょいこんだような気分になったのだ。。ああ、なんということか。。これって、自分が一応今のところ、表面的には健康だから、病人をいやがる気持ちではないのか。。自分でもぞっとした。ああ、こんなことではだめだ。。毎日、病院や介護ホームで、少しでも早く病気がなおるように、患者が少しでも楽になるようにと、一生懸命病人の世話をしている人たちがいるのだ。私も、この病気の木を、がんとたたかっている人たちを世話するのと同じ気持ちで、大切にしてやらねばならぬ。そういえば、今までの人生で一度だって、病気の人を助けてあげたい、なんて思ったことのない人生だった。これはいいレッスンになる。。(笑)それで、このあいだ、やっと気温が12度ほどになったとき、病気の植木をデッキに出してあげた。日光がさんさんと当たって、薄い葉っぱの中は、白い液が流れてるというのに、緑が気持ちよさそうに輝いていた。。ああ、日光に当たって、気持ちよくなって、病気と闘ってくれて、いつか病気に打ち勝ってくれたらいいのにな。。あの薄い葉っぱから、白い液がぽたぽたとカーペットに落ちるようになったら終わりである。その終わりが来るまで、いや来ないように、ちょうど私たちが、日々の時間をいとおしんで生きるように、私も植木ちゃんを大切にしよう。。ガンとともに生きるである。。
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