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2011/04/19(火)
いつまでも
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あると思うな親と金ーを実感した2週間だった。こんな濃密な時間を過ごしたことがあっただろうか。毎日病院通いをするなんて、生まれて初めてのことで、学んだ、学んだ。。人間の生と死を。。人は、生まれてきた新しい小さな命を心から喜ぶ。。が、長年生きた、くたびれきった命に対しては、どんな目を向けるのだろうか。母親の向かいのベッドには、アルツハイマーがみるみるまに進んでいった女性。。。とんちんかんなことをしゃべり続け、時には踊りすら見せてくれる楽しい人だったが、徘徊がとまらない。実の妹さんと義理の妹さんが毎日交代で、朝から晩までつきっきりで世話をしていた。その隣が、器械で命をつないでいる、単に痰を出すだけの植物人間化した老女。同じく一人娘の娘さんーといっても私より年上だがー毎日顔を見に来ていた。といっても何かできるわけではない。胃に穴をあけて栄養を注入するいろうという医療行為を嘆いていた。延命にすぎなかったと。。私の母親自身は、酸素マスクをはずすことができ、リハビリも始まったが、どれだけ効果があるのかさっぱりわからず。病院に運ばれてきたときには、よく食べて、歩けたのに、今はもう、食べなくなって、かつ歩くどころか、ベッドの上に、自分の力で座ることすらできない。今度会いに行くときには、一体どうなっているのか。。私の顔すらわかるのかどうか疑問である。(悲)アルツハイマーの人もそうだったそうだが、病院に入ると認知症は進む、と医者も言ったのでびっくりしてしまった。見た目にもはっきりと着実に回復したのが、母親の隣のベッドにいたおばあちゃんである。やっぱり、元気になる人は明るい。(笑)私ともよくしゃべった。が、耳が遠いので、大声で怒鳴るし、こちらも怒鳴らねばならない。その向かいで、痰がたまっていくごぼごぼとした音と吸い取るときの器械のシューという勢いのある音がこれまた間断なく聞こえ、加えて、アルツハイマーの人の絶え間ないおしゃべりと、なんとか彼女をなだめ、コントロールしようとする付き添いの人の同じ言葉の繰り返しの声ーほんとに、ほんとに頭が痛くなって、食欲も失ってしまった2週間だった。医療保険と介護保険の違い、老人保健施設に特別養老施設?、病院という、医師と看護師、補助の人と、衣服で見分けがつくようになった階級世界。。。疲れた、疲れた。。。今思うこと。。人は、常に心の準備をしていなければならぬ。いつか必ず自分にもやってくるのである。どんな最後になるのか。。今日一日を大事にいとおしんで、ただ生きるのみ。身辺をそろそろ片付けねばならない。身軽が一番である。
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