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2011/06/25(土)
アジサイ
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スーパーで、青いアジサイを買ってきて、リビングに飾っている。母親が入院している病院の玄関先に咲いていたものだ。遠く離れて、一人病室に横たわり、毎日のほとんどを目をつぶって眠っているのだろう母を想う。朝起きると、やっとコーヒーを片手に、庭を歩き回れるようになった。今年はほとんど楽しむことがなかったライラックの枝をばっさばっさ切って、その隣に植えてあるアジサイを大きくしてやろうと考えている。そして、今年は、もっともっとアジサイを植えようと思っている。2011年の夏がずっとずっと私のそばにいて、私を元気づけてくれるように。初めて病院を訪ねたときは、桜が満開の季節だった。そして、3回目はアジサイー次回はどんな花が咲いているだろうか。自己流で短歌を作ってみた。「あじさいの 弱りし母の移ろいに けふ雨の目ににじむ 濃い青」テレビの短歌教室の選者になった気分で。。(笑)作者はですねえ、あじさいは毎日色が変わるわけです。その色の濃淡に、お母さんの容態の変化を見、またその変化に一喜一憂する作者の気持を重ねているわけです。そして、雨が降ると、アジサイは水に濡れて鮮やかな色になる、雨は作者の涙でもあるわけで、濃い色が、涙でかすんでよく見えない、というわけです」 母は、新聞に掲載されていた、郷隼人という人の短歌を切り取っていた。アメリカで殺人罪で刑務所に入っている人が、アメリカから詠んだ歌である。母は、その人の歌に、アメリカに生きる私の気持を想像していたのだろうか。私は、病院ではっきりと母に言った、一人暮らしをさせて申し訳なかった、でも私は、アメリカに行ってよかったと思ってるよ、私は今の私が大好きだから。長いあいだ一人でがんばってくれてありがとう。私を産んでくれて、ありがとう。私は、自分の人生が大好きだから、と。母は、はっきりと大きくうなづいてくれた。これ以上、何を望もう。私は、庭に、青いアジサイをいっぱい植えるぞ!!!
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