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2011/09/20(火)
乙武氏への抗議状5
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記事では、乙武氏が赴任した小学校の職員室でのエピソードが紹介されています。共感を覚えました。トールクラブにも、小学校で教えた経験をもつAさんがいます。Aさんによると、子供たちに絵本を読み聞かせる教師の中には、悪者となった大きなマグロの話をして、Aさんの前で、マグロはAさんと同じだねえと子供 たちに平気で言い、子供たちといっしょに大笑いする人がいるそうです。教室全体の笑いの渦のなかに立たされて、どれだけAさんは傷ついたことか。問題意識をもたぬ、理解できぬ教師のいる教育現場、とりわけ小学校の現実は将来を危ぶませるものがあります。 乙武氏は子供たちに、ご自分と同様の自己肯定感をはぐくんであげたいとか。子供たちの自己肯定感は、決して自嘲やら無神経な教師からは生まれません。将来の世代のために我々が声をあげ、しなければならないことは、目立たぬとも、日常のここかしこに山積しています。“臭いものにふたをする”どころか、悪臭は、社会のあらゆるところから臭ってきています。 1ケ月ほど前、私は、ギネスブックを発行しているロンドンの会社に、質問状を送りました。どうして、世界一背の高い男女、背の低い男女、のような、人々の低俗な好奇心だけを満足させるような情報を必要とし、公表せねばならないのですか、と。まだ答えはありません。答えがあるとも思っていません。 しかし、大事なことは、池の水に投げ込まれた小石が波紋を広げていくように、一人一人の人間が、社会に小さな変化を起こしていこうとする気持ちを持つことです。社会はみんなのもので、自分たちで作っていくものだからです。乙武氏のおっしゃるように、問題は一人ひとりが能動的に考えるべきです(57ページ)。 そして必要なのは、たった一人ででもいい、池に小石を投げ込む勇気です。どんなに小さなことでもいい、疑問に思うことがあれば、まず自分の足元から小さな行動を起こす。そのために必要なエネルギーは、社会にすりよることのない、個人のempowermentからしか生まれません。 先日、私は、電車の中で、若者やサラリーマンで占拠された優先座席の前に立っても席を譲ってもらえないおばあさんに、声をかけました。「おばあさん、席を譲ってください、と言えばいいんですよ」と。おばあさんをほんのわずかでも力づけられたことを願うばかりです。 乙武氏の存在は確かに稀有なものであり、お持ちのエネルギーには巨大なものがあると思います。だからこそ乙武氏からは、私自身のempowermentにつながるエネルギーをいっぱい受け取りたいと思います。地味であっても懐の深い、広い心をもった、息の長い勇気ある活動を期待するものです。
*** 今ごろ、自分の文章を編集。。(笑)最後の段落ー巨大なものがあると思います。私は、社会から、「身体的特徴を目の前にいる当人に向かって、挨拶がわりに口にするのはやめよう」と訴えてきました。「私はカタワです」と言ってのけるのがバリアフリーにつながると考える乙武氏に、言われ続ける悩みをわかってもらえるものなのか。それでも、乙武氏。。。
こういう風に考えていくと、あのお兄さんのしてることって、しょせん障害のある体を売りにした、売名行為???(笑)
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