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2012/10/01(月)
再び日常に
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無事に、配偶者が乗った飛行機は太平洋を東に飛び去った模様。きのうが予定だったのに、台風17号のためにフライトはキャンセルとなった。サンフランシスコからやってきた折り返しの飛行機は東京に着陸したらしい。強風で、関空行のバスはポーアイへの道路で、いまにも横転しそうなぐらい右に左にと揺れてめちゃ怖かったとか。関空への海上橋は、バスが三宮を出るころに閉鎖された。おかげで、配偶者は三宮にひきかえし、ホテル泊となり、こちらは出費が増えた(怒笑)私は、疲れがたまっていたのだろう、1週間ほど前に、ぎっくり腰のようになり、体の自由がきかなくなって、大半の時間を家でごろごろ。やっと明日からまた普段の生活に戻れる。朽ちていく人間をじっと凝視しながら、まるでその朽ちていくさまを納得するかのように、家の中のものを少しずつ捨てていく作業を続けるのだ。今朝は、母の入れ歯を捨てた。入れ歯を入れて、あう、あわないと悩んだだろう時間を、母の日々を想像する。いっしょにすごしてやれなかった時間。きのうだったか、母ははっきりと言った、そら、いっしょに住みたかったよ、と。あんたは?と語気強く、大きな声で問い返してきた。今まで一度もなかったことだ。日本は私にとって住みにくいところだった、と答えるのがせいいっぱいだった。母は黙っていた。私も、母といっしょに住みたかった、とでも答えるべきだったのだろうか。人はたった一度の人生を生きることしかできない。母といえども、子といえども、他者である。他者の人生を勝手に想像するのは、ほんとうは傲慢ではないのかという思いと、母の思いをかなえてやれなかった自分が悲しい。私にできるのは、ただただ謝り、そして「ありがとう」を繰り返すだけの、変わらぬ日常がまた始まる。
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