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2014/03/04(火)
記憶
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きのう、ボランティアに行って、スタッフの人に、見かけなくなった男性クライアント2人のことを聞いてみた。二人とも、去年の11月末から12月にかけて相次いで亡くなったという。やっぱり、という思いと、残念な思いとが交錯する。私の記憶にあるのは、まだ足取り軽く歩き回っていた姿、私が声をかけると、にこにこして、手足を動かそうとした姿である。弱りきった姿を見ていない分だけ、記憶と現実のあいだのギャップが異様に感じられる。そう思うと、朝元気に出かけていって、倒れて、二度と家には戻ってこなかった父を経験した母やら、事故やら災害で肉親を失った人が経験する記憶とのギャップを想像すると、耐えられない気持ちになる。母は、最後まで、父親が一人家に取り残されているかのようにして気づかっていた。それが、彼女があえて現実から目をそらせるために、自ら作りだしたストーリーの結果なのか、それとも萎縮した脳のなせるわざだったのかはわからない。が、最後まで現実とかみあった記憶をもてる者は強い。が、幸せかどうかはわからぬ。いや、いつか記憶すらもてなくなる時間すら来るのである。消えるということー今、ここにあって、記憶をいつくしむことができるのは何と幸せなことか。(悲)
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