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2016/12/11(日)
つづき
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金もうけの話ばっかりしているあいだに、確実に、日本人の力が落ちているのを感じている。言葉である。このあいだ、テレビで、「言葉化できない」といった言葉が流れていたからびっくりした。「言葉にできない」といえばいいのに、なんで「化」をつける? 「見える化」という言葉もあるそうで、これなどは可視化という本来の言葉があるのである。「化」をつけるのは、単なる流行の造語かもしれないが、本来の言葉をないがしろにすることで、そうやって人間の脳は確実に退化していくのである。縁あって、京大やら阪大やら立派な大学を出た研究者の書いた論文を簡単に英語に直しているが、読んでびっくり、である。理系の論文だから、内容がわからない、は一つの要因だが、それだけではない。文章の主語と述語がつながっていないのである。修飾部をつぎたし、つぎたしすることで、文全体が長く、長くなることで、主語と述語がわからなくなっている。たぶん、これは書いている本人も、はっきり自覚していることではないだろう。内容が書いている本人の中だけに存在していることは明らかだからである。で、修飾部は必要なものかといえば、そうでもない。要するに、書いている人間の頭の中が論理的に整理されていないから、クリアな文章が書けない。悪文は、声には出して読めない。声に出して読む文は、脳に黙読とは違う刺激を与えて、文に対する理解度をあらわにすると私は考えている。悪文を声に出して読もうとしても、脳が混乱しはじめるので、あ、この箇所はだめだ、とわかるのである。で、こういう悪文ばかりで構成された論文が学術論文として認められる文化の低さに、私はびっくりしたのである。たいしたことないよなああ。。ほんとにびっくり。。で、ニュースで流れていた、日本の中学生の読解力が落ちたとか。そらそうでしょう、立派な大学から博士号をとった研究者でも、こういう文しか書けなくなっているのである。これからがよくなるはずがない、何か抜本的なことをしないと。で、そのうえに、小学校から英語教育だそうで。。あっほも極まり。。(笑)とにかくにも恐ろしい時代である。私が好きな加藤陽子氏が、日本が道を誤った契機を3つあげ(満州事変へのリットン報告書が読めなかったこと、日独伊三国同盟でドイツが勝ってアジアにやってくることを恐れたこと、アメリカ政府内の権力闘争で、日本に対する石油禁輸をルーズベルトさえ知らなかった、など)をあげながら、大事なことは、本質がどう反映されているかを常に見抜くこと、みたいなことを言っているのがオンラインで流れていた。 本質、という言葉が使われているのがすごくうれしかった。そう、見かけではなく、本質ーわたしゃ、それしか見てないよ。。で、洞窟ごもり。。。(笑)誰ともつながらないのが一番賢明と思われる、恐ろしい時代に我々は今生きている。本質は、オンラインには流れない。それは、宇宙なる「世界」の純で真の根源的エネルギーだから。
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