独りごちる。
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2012/01/18(水) 一ヶ月。
お母さんが逝ってしまってから、一ヶ月経った。
年をまたいだせいか、なんだかもっと経っているような気がする。

少し、振り返ってみよう。

おかんが最後に入院した日の夜のこと。
その日は12月11日、日曜日。


入院を嫌がり、ずっと自宅でがんばっていたおかん。

アタシは金曜日から休みをもらえるようにしていたので
12月9日(金)から実家で寝泊りしていた。

9日、外来に行ったとき、主治医が「こんな数値は見たことがない」とびっくりするほど、容態は悪化していた。

もう、自宅では無理だと思っていた我々は、むしろ主治医の口から、おかんに入院を勧めてほしいと思っていたのだが
なぜか入院を勧めない主治医。
仕方なく、そのときはそのまま帰った。

おかんは、元々食べられないのが、更に落ち、しかも夜中に突然吐くようになっていた。

二日か三日続けて吐き、その夜もまた吐いたので、姉が来て入院を勧めたが、おかんは拒否。

翌晩も吐き、体力は見る見る弱まっていった。

11日夜、アタシはお風呂から出て、髪の毛を乾かそうかな、
というときだった。

ピンポンとナースコールが鳴った。
「おかあさん、どうしたの?」と聞くと、じっと座ったまま、黙っている。父と二人で、どうしたの?痛いの? と、いろいろ聞いていると、「どうするんだっけ」「このあとどうするんだっけ」と、わけのわからないことを言っている。

更にいろいろ聞いているうちに、自分から、病院にいきたい。と、言い出した。今からでも、行けるの?連れて行ってくれるの?と。

家に居たいため、限界まで我慢したものの
ついに、痛みに耐えられなくなったのだろう。
とうとう、自分から、入院したいと言い出したのである。

そこから急いでみんなで支度し、大騒ぎして車に乗せて、救急外来に連れて行ったのである。

そこで寒いところで何時間も待たされて、今度は父ちゃんが参ってしまった。
「お父さん、帰った方がいい」と、父ちゃんを家に連れて帰り、そしてまた病院へ戻った。

ふと空を見ると、月が地球の影にすっぽり隠れていた。

月食である。

なぜか、この瞬間を、写真におさめておかねばならない。
という気になって
アタシは、そのような緊急事態であるにもかかわらず
欠けていく月を夢中で写真に収めた。

なんとなく、月とともに、おかんの命が消えていくような
そんな気がしたのである。

あとで見たら、わけのわからない写真になっていた。


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