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2006/07/02(日)
天花粉
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会社はやたらセキュリティ、セキュリティとアホみたいに目くじら立ててやかましく騒いでいる。 そのお陰で我々は常に首からセキュリティカードなるものをブラ下げて、中身の見える透明バッグを持ち歩かされ、個人のプライバシーもクソもないような状態なのである。
このセキュリティカードのせいで、去年の夏、首の後ろがかぶれてしまった。アタシは心臓に毛が生えているものの皮膚は弱いので、汗をかいたりするとすぐにかぶれてしまうのである。
実家に行ったときに、おかんに目ざとく見つけられ、ベビーパウダーを持って追っかけられた。 まだこれから買い物にも行きたかったので、「うわぁやだよーっ」と逃げ回ったが、とっ捕まえられて、パン!と首に粉をはたかれてしまった。「ぎゃーっ」と叫ぶも、時、既に遅し。 が、その途端、ものすごく懐かしくていい匂いが、フワァ〜っと漂ってきた。 それ以来、ベビーパウダーいや、天花粉と言おう。天花粉の虜である。
夏になると、風呂上りにベランダで冷たい水を飲みながら一服。汗が引いたところで天花粉をパンパンとはたく。すると、なんともいえないいい香がフワァ〜っと漂い、幸せな気持ちになる。
朝顔、すだれ、ラムネにスイカに天花粉。 遠い昔の日本の夏が戻ってきたような気がするのである。
日本回帰。 若い頃はご多分に漏れず、意味もなくアメリカに傾倒したこともあったのだが、今となっては、アホか、アタシは。という感じである。
いまや、町を歩けばジジイの吐いた痰やらヨッパライの置き土産やらで、どこもかしこも薄汚れた腐った国だが、昔々、平和で美しい夏があったことも確かなのだ。
日本の四季は間違いなく美しい。我々はその四季を堪能すべきである。その一歩が天花粉というのはいささか心もとないが、ただその香をかぐだけで、一気に30年前に引き戻される、そんなパワーの持ち主だけに、バカにならないのである。
ていうか、まずアタシの部屋を片付けよう。 世間を非難するのはそれからだった。
今日、実家から戻るときに、車から見る夕焼けがあまりに綺麗だったので、家に着くなり写真を撮った。 飛行機雲二連発。
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![](/user/gumbo/img/2006_7/2.jpg) |
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