独りごちる。
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2006/10/29(日) とーちゃん、スマン。
アタシはおとんが大好きである。
若い頃は、クールであまり笑わない人だったという印象がある。
だから子供の頃のアタシは、ふざけた真似をして、おとんが笑うのを見るのが好きだった。
しかしいつの頃からか、おとんはお茶目なオジサンになった。そして今は、呑気で可愛いオジサンである。

おかんが長年勤めていた店を辞め、家にいるようになって2年程経つが、今日は、店に乞われて臨時で手伝いに行っている。
そのため、おとんと二人で夕飯を食べた。

普段、おかんがいるときは、おとんが何か喋ろうとしても、それを制しておかんが10倍ぐらい喋ってしまうので、おとんは満足に会話もできず、ご飯を食べるとさっさと寝てしまう。
だからおかんがいないときは、おとんは別人のようによく喋る。
本当はお喋りなのである。

今日も、あれやこれやとよく喋った。そして毎度のことだが、「よ〜し。オレはもう一杯飲んじゃうぞ。オマエのせいだ、コノヤロ」などと言って、上機嫌で酒も進む。黙ってもう一杯飲んでれば、何も止めやしないのだが、このあたり、普段はおかんに「いい加減にしなさい!」などと叱られてるせいで、言い訳するのが習慣づいているらしい。

実は、おとんと二人でこんな風にご飯を食べて楽しむ時間を持つようになったのは、今は亡き愛犬のノエルが、死にかけて病院通いをするようになってからである。

休みの度に、おとんと二人、病院に連れて行き、その帰り、病院の前のスーパーで昼飯を買って、二人で食べるのが習慣になった。普段は、週末ごとに夕飯を食べに実家に行き、おかんが一方的にベラベラ語るのを二人で聞いて、アタシはさっさと帰ってくるという感じだったので、あんまり二人で話すということはなかった。

ノエルが死んで、また、そんな日常に戻ったのだが、あの一時期、おとんと食べる昼はなんだかのほほんとして楽しかった。

最近、おかんが臨時で働きに出たり、旅行したりすることで、また二人で夕飯を食べたりする機会ができたわけだが、おとんも、あの当時のことを思い出して話していた。
やっぱり、おとんもあの時楽しかったんだなと、嬉しくなった。

そんなおとんが、今日、突然、ポツリと「親孝行したいと思うなら、病気をしないで、ただ、一生懸命まじめに仕事をすれば、それでいい」と言った。
アタシは、言葉が出なかった。

これまで、おとんにもおかんにも、孫が抱きたいだの、結婚して早く安心させろだの、色々言われてきたものだが、こればっかりは、一人ではどーにもできないもので、「うるさいっ帰るっ」などと悪態をつきながらも、心の中では、「スマン」と思ってきた。

そういう期待を裏切っていることは、重々承知であり、最大の親不孝者であることは、充分自覚している。
アタシなりに懸命に、やれ誕生日だ、父の日だ母の日だと、記念日にはプレゼントを渡し、GW休みだの夏休みだのと、旅行にも行っている(金は母ちゃん持ちだが)。
だが、そんなことでは補えない程の親不孝者であることは、百も承知で、それが常に心の傷としてズキズキ痛むのだ。

おとんは、多分、そんなアタシの気持ちを、わかっていたのだろう。今日の一言で、傷を癒してくれようとしたのだ。

おとん、スマン。
こんな娘で、本当にスマン。


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