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2005/07/12(火)
色に関する興味深い考察
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おめでたい色は紅白、その逆は白黒。これが一般的である。 しかし、本来色が表す意味は違っていたそうな。 おめでたいことを表す色を今でも白黒で表記する場所がある。実はそれが日本古来の色による表現であり、正しい色の使い方であるという。 その色が使われる場所とはどこか。 なんと、伊勢神宮である。 江戸時代、旅行など一般庶民にとっては高嶺の花であり、勝手に今で言う近県にさえも自由に出入りできなかった時代でもお伊勢参りと称して、伊勢神宮の参拝詣だけは許されていた、日本の神教の源のひとつである。 ここでは、現在もその当時からの伝統が固く守られている。ちょうど今年は全面改修工事が始まる年。すでに数箇所の工事のための準備が進められ、その準備や材料の確保にすら儀式があるというとんでもない所である。 日本の歴史上、伊勢神宮と神話の世界で登場する出雲大社は切っても切り離せないものである。 その伊勢神宮、実際に訪れて見るとよくわかるが、自然のおりなす風景から建築物に至るまで、非常にモノトーンである。神殿は自然色の木々の色、取り囲むは河原の色、川の色、木々の色・・・。天然色のみである。 なぜ、御祝いの席での色が白黒なのか、実はよく知らない。しかし、実際にそうなのだ。 それが紅白に変わってきた理由にはなんとなく予想がつく。日の丸である。祝いには日の丸を掲げ、その同じ色で表現してきた。衣服や表記、食べ物に至るまでその2色で統一してきた。 葬儀の際に張られる白黒の幕、それはここでは喜び、祝いを表す一般的な紅白幕の意味で使われる。では、本当の慶事の際の色は?予想がつく方も多いであろうが、白一色である。 天皇家の葬儀の際に使用される色は白のみ、一般にも白装束がその例である。 国、民族、祭事などいろいろな場面や場所で色というのは重要な意味をもつ。わかりやすく言うとクリスマスカラーは赤と緑、日本では高貴な色は紫、一部の仏教では色による意味が決まっているし、感覚的に男の子は青、女の子は赤とか・・・。
そういえば、とある外国のお祝いの儀にあたり、ある国々の方々が黒いネクタイで参列していた。実はこれも現代の日本人の感覚とは違う由緒ある理由に基づくものなのかもしれない。
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