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2007/12/15(土)
芸術鑑賞
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晴れです。
夕べ、BSでラベル作曲のボレロを見ておりました。 指揮は、エッシャンバッハという人です。学生の頃、この人を見て恐ろしく神経質なイメージがありましたが、歳をとって、円熟という感じです。 この曲は皆さんよくご存知の曲で、2つのテーマ(メロディー)が楽器を変えて何回も繰り返されるだけという曲です。その楽器のソロや楽器の組み合わせ、その音色の変化が面白いのですが、最後の2小節以外、最初から全く変わらず、永遠に同じリズムパターンを繰り返す小太鼓。同じテンポでしっかりリズムを刻みます。最初は聞こえるか聞こえないかというほど小さい音で、徐々に大きく、最後は爆発!という感じです。 そこで、今回この指揮者は棒を振らず、目だけで合図をし、指揮棒を実際に振ったのは最後の10小節あまりのみ。それは緊張感を与え、音の音色の変化に集中するためとインタビューで応えておりました。 ・・・が、その映像がお粗末でした。NHKはとても細かなカメラワークをしっかりします。それは全てにおいて台本主義だからです。当然楽譜からの割り出しもしているはずなのですが・・・。おそらくそのあたりがわからないディレクターだったのでしょう。肝心な時にその演奏者が映っていないとか、余計な時に全体の引き画面になったり、目で合図の指揮者の姿がなかったり・・・。でもその映像はしっかり撮っているぞといわんばかりのものでした。もっとも残念なのは、ソロ楽器がしっかり映らない場面。この曲は、楽器の音域に無理がある場所があり、作曲者のラベルは、それを同じ楽器の異なる音域を出す楽器等に途中から摺りかえるの技を使っています。それは聞いているだけはほとんどわからないほどの技なのです。でも映像ではそれを映して欲しいのに・・・。
一方今日、文楽人形師60年という方がお話されていました。 その方は400体の人形の顔を全て覚えており、どの人形師にはどれが使いやすいとか、どの話ではこの顔がいいとか、頭に入っているとのことです。 そして、実際にご自身も舞台に立ち、演じているわけですが、これまでに自分が満足できた舞台は1度もなく、またそのVTRを見ると下手だなと自己反省。これからも一日一日を精進の日々に当てていきますと話しておりました。
なにか2日間の映像が伝えるものの違いを感じる芸術鑑賞でした。
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