|
2008/10/07(火)
金木犀
|
|
|
うす曇りのち曇り、そして雨。 あら?雨って予報出てました???と聞いたら出てたそうです。夕べは曇りだったのに・・・。 おかげで傘を持たずに出た私は、事務所に置いてあった新品の置き傘を使う羽目になりました(置いててよかった!)。
今日、事務所のベランダ(うちの事務所は、お客さん以外は室内禁煙。私は反体制派で喫煙者です。よってベランダが私の喫煙場所です。)に出てみると、よい香りが!これはと思い、横を見るとベランダのちょうど左側の1F(うちは2F)の大きな金木犀にたくさんの花が咲いていました。 やったね!ちょっと遅れた分、香りが強い感じです。 その後はわかったせいか、窓を開けているとどこからともなくその香りが漂います。 花にはそれぞれの独特の香りがあります。それぞれに良いのですが、順位も決められませんが、秋の香りは金木犀が一番です。春には沈丁花、そのあとにはクチナシ、薔薇は冬以外の全部。 そうそうフリージアもいいですね。フリージアは普通は春の花ですが、私には早春の花。房総では今でも自然の中に育つフリージアがあり、2月に咲きます。なので早春の花のイメージ。こんな花の香りについて書くなどとは昔の私を知っている人が見たら驚きでしょう。
さて、話を戻すと・・・ 金木犀は実に面白い、興味深い。 不思議と関東地方では10月1日に開花します。しかし今年は数日遅れました。この2〜3年遅れたり早まったりしているように感じます。 金木犀と同種に銀木犀(ギンモクセイ)があり、こちらは花の色がちょっと薄く、香りもやや弱め。もともとその原種であるモクセイ科の流れからいうと銀木犀が主で、その改良型が金木犀です。 中国では、モクセイというと銀木犀をさすことが多いらしいのですが、金木犀も銀木犀も両方「桂花」と書きます(正式には金木犀は「丹桂」)。 あら?この字?と思った方も少ないくないのでは?お酒で「桂花陳酒」。これはワインに金木犀の花を3年間漬けたもので、飲みやすいいいお酒です。最近では赤ワインに漬けたものもあります。 また、中国茶の花茶の一種で「桂花茶」。金木犀の花をお茶に混ぜたもので甘い香りがします。 中国茶やハーブ系のお茶、ジャムなどの原材料に「桂花」という字を見たことはありませんか?これら皆、金木犀または銀木犀の花です。 このように香り付けに使われます。香水でもあるそうです。 この甘く良い香りがなぜトイレの芳香剤の代表になったのでしょうか。最近の子供達は金木犀の近くに来ると「トイレの臭いがする」と言うらしい。実際にその会話を聞いたことがあります。全然違う香りだと思うけどな〜。 実は、これにはちゃんとした理由があります。金木犀の木は昔からトイレの近くに植える臭い消しのための木だったのです(昔のトイレです。外に居てもトイレがどこにあるかわかる時代のことです)。昔からの風習や言い伝えに詳しい人には『花が無いような木を自宅に植えるなんて』と笑われたりもするそうです。だから、トイレの臭い消しのために植えてあるといい訳に使ったわけです。事実、金木犀の開花時期は秋のごくごく一部。そのために1年中植えておくのも変な話。秋の一部しかトイレが臭わないわけではないのですから。
いろいろ調べてみると面白いのですが、金木犀、木犀を県、市町村の木や花(なぜ花?全国に唯一、岡山県の建部町が町の花としています)に制定しているところは多く、それだけ一般的な木だったのでしょう。 面白いのは、なぜか日本にある金木犀は雄の木しかありません。なのでどんなに頑張っても実がなりません。 また、蝶はこの花の匂い成分の一部が苦手らしく、近寄りません。 そして、同じモクセイ科にヒイラギがあります(クリスマスの時のヒイラギは実はセイヨウヒイラギと言って、まったくの別品種、別科の植物ですが、葉っぱが似ているのでそう呼ばれたようです)。節分の時に玄関先にいわしの頭を刺す枝です(と言ってもこの解説、わかるだろうか・・・)。 さらに分類上、モクセイ科その下に様々な属に分かれるのですが、その中にはジャスミンやオリーブがあります。 いろいろと調べると新たな発見がありますね。
・・・で、うかうかしていたので、我が家の金木犀、開花したかどうか実はまだ確認していないんです・・・
|
|
|