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2006/10/14(土)
こんな筈では無かったのに・・・
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『じろりん』は、小さい頃より、『テレビの世界』に憧れ、本気で『東京』に憧れていました。(高校時代、家出して東京まで行きましたが、何も出来ず一日で帰って来た経験があります。)
19歳年上の兄貴が、見かねて演出家で舞台装置のプランナーでもある、知り合いの『望野智』先生に上京後の進路を相談してくれたのです。
先生は『じろりん』には『フランキー堺』さんの付き人か、『日生劇場の大道具』か、どちらかが良いのでは・・と考えておられました。
『じろりん』が「出来たら演出の勉強もしたい。」と話していたので、先生は「付き人では、狭い範囲でしかモノが見えない。」と言われ、『日生劇場の大道具』の方を紹介して下さったのです。
溢れるばかりの夢と希望を持って東京へ降り立った時、世界は『じろりん』を待っていると思っていたし、三年後は大スターと勝手に確信していました。(東京には、こんな奴、結構多い)
上京して、仕事第一日目は、イギリスの『ロイヤルシェークスピア劇団』の千秋楽でした。そして、その公演終了後いきなり舞台バラシと次の公演の仕込みで徹夜になりました。
ガチ袋(腰袋)にナグリ(トンカチ)を持って慣れない大工仕事が始まりました。口の悪い先輩から、「馬鹿野郎!お嬢さんの日曜大工じゃねえや!」と怒鳴られっぱなしで悲しくなりました。
関西人は「アホ」と言われても、あまり抵抗は無いのですが、「馬鹿野郎」と言われると本当に落ち込んでしまいます。
やっと一段落して次の日、劇場の風呂に入ると、体中アチコチ痛くてヒリヒリしていました。華やかな芸能界に憧れて東京まで来たのに、俺は一体、何をやっているのだろう・・
現実の自分の姿に、「こんな筈では無かったのに・・」と思うばかりでした。
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