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2007/01/22(月)
浅草つれづれ草
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浅草は都会の外れのような街で、昔の風情が、そこかしこに見られ、歩くといろんな発見があり、飽きない街でした。
店のウィンドウごしに見る、『手焼き煎餅』や『そば打ち』は、時間が経つのも忘れて眺めていました。『余荷解(よにげ)屋』という、バッタ品?の店では、いつも黒やまの人盛りで、店のおじさんの口上と、サクラのお客とのやりとりが面白く買う気もないのに、よく立ち寄っていました。
芝居がはねて、先輩によく連れて行かれたのが『一六酒場』という、芸人さんがよく集まる居酒屋で、チュウハイ一杯とモツ煮込みで何時間も芝居談議に花を咲かせました。
『神谷バー』という店では、『電気ブラン』という訳の分からないお酒を飲まされました。
その頃は、何でも芸の肥やしになると聞かされでいました。ある時、怪しげな店の客引きが、「五百で遊べるから・・」と、シツコク絡んで来ました。ポケットには本当に五百円しか無かったのですが・・「五百円あれば大丈夫。」と自信を持って言うものですから、その客引きについて行きました。
連れて行かれた店の中は、真っ暗で絵にかいたような怪しい店でした。五百円を払って席に着くとドリンクが運ばれてきました。ちょっとばかり話をして、本当に五百円しか持っていない事を伝えると、「今度は、もうちょっとお金を持っておいで!」と、すぐさま放り出されました。
その時の『じろりん』は、好奇心一杯、恐いものしらずで、向こう見ずの二十歳でした。
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