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2007/12/02(日)
怪しげな人『野坂昭如』さん。
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『野坂昭如』さんの奥さんは、元タカラジェンヌの『藍 葉子(あいようこ)』さんで、元宝塚トップスターの『真帆志ぶき』さんの後輩に当たります。『真帆志ぶき』さんがオーナーで、私がバイトをしていたパブレストラン四谷三丁目の『ジル』は、先輩の店という事で気が許せる場所なのかよく出入りされておられ、『真帆志ぶき』さんも「ヨーコちゃん、ヨーコちゃん」と可愛がっておられました。 ある時、店に大きな荷物を持った男達の集団が入って来たと思ったら、ステージ前のフロアは見る見るうちに荷物の山になってしまいました。よく見るとラグビーの道具とスポーツバッグの山でした。それは『野坂昭如』さんと、彼が率いるラグビーチームの面々で、おそらく試合の後の打ち上げだったのでしょう・・・席についた豪快な男達の飲みっぷりは、愉快で楽しくて時間が経つにつれ、店内は大いに盛り上がりました。
そのメンバーの中に天理高校出身で全日本代表にも選ばれた選手も居たのですが、ラグビーにまったく興味のなかった私は名前も顔も忘れてしまいました。
『野坂昭如』さんが店に来られたのは初めてだったのですが、娘二人とも宝塚に入れる程、大の宝塚ファンで、『真帆』さんとも昔からの知り合いでした。
余程この時の打ち上げが楽しかったのか数日後、一人で開店早々の店にぶらっと入って来られました。まだ数人のアルバイトしかおらず、早速『真帆志ぶき』さんに連絡をとったら、「すぐに行くけれど、それまで『じろりん』がお相手していて・・」と言われました。
テーブルに付いて座って居りましても、私には全く興味がないのか会話になりません。先日の打ち上げでは歌って踊って大いに場を盛り上げ『野坂昭如』さんも喜んでおられたのに・・・と思っても、ちょっとドモリ気味にボソボソと話されるだけで、シャイというか本当に無口な人でした。『しゃべって、何ぼ!』の世界に生きていた自分には、直木賞作家とはいえ、よく解からない怪しげな人物でした。
以前『人は見かけによるのです』という本がベストセラーになっていましたが、『野坂昭如』さんは『見かけは怪しげ』でしたが、作家として又、作詞作曲家、タレント、歌手、その後、参議院議員としても活躍されるのです。
現在、脳梗塞という身上を持ちながらの凄まじい彼の『生き様』は、教祖のこの言葉を思い出させます。
口さきのついしよばかりはいらぬもの 心のまこと月日みてゐる
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