山里18番街膝栗毛
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2006/04/17(月) THE WOMAN IN SEAT 27A
朝、起きたら天候が悪く今にも雨が降りそうだ...。


寝惚け眼で起きたら、頭も洗わず埃を被ったクラシックギターに弦を張る。


その足でそのまま玄関から外へ出る。

...もう雨は降っていた。


玄関の前に近所の女の子がバイオリンを持っている。
そして、単調な覚えたてのフレーズを弾く。軽快に...。


そのフレーズに気ままギターを合わせて朝の道を二人で歩いていく。


雨のせいで町は霧がかって先はあまり見えない...。


少し歩いた所でふと、路地を右に曲がりたくなりそのまま右へ。


女の子はこのフレーズがよほど気に入ったのか、永遠と弾き続ける。


路地を曲がり少し行くとある家の窓から男の子が覗いていた。

手にはアコギ...。
彼と女の子がその前を通り過ぎるその数秒。
男の子はその手でコードを奏でる。
彼は男の子を振り向くが...男の子はもうギターを横に置いていた...。

たった数秒のセッション。


それからはただ真っ直ぐと彼と女の子は歩いていく。


単調に....。





しばらく歩いた所で彼は足を止める。

いつしか手足も止まってる...。

そんな彼に気を止めず数歩後ろで女の子はまだフレーズを奏でている。


彼は少し考えた後、踵を返した。
女の子とすれ違う一瞬だけ感情を爆発させ右手、左手に命令を送った。


帰ろう....。


進んだ道の途中の民間の窓にはまだ男の子が先程と同じ姿勢で窓際から雨の町を眺めている...。

男の子は彼に気づくとゆっくりとした動作でギターを抱える。

そして彼が窓の前を横切る一瞬だけ、彩りを添える...。

行くときは気付かなかったが、どうやらエレアコらしい...うしろで微かに歪みの音がする...。


帰らないと....。


彼はそう思ったが、雨のせいか、女の子がいるためか、急ぎはしない。


この曲がり角を左に曲がれば後は真っ直ぐ。







彼は家の前にいた...。

ずぶ寝れの体で中に入る...。

家に入るなりクラシックギターを放り、エレキギターを手にする。
チューニングは昨日のまま...。

C# G# C# F# G# C#

窓から女の子の帰る姿が見える。
まだあのフレーズを弾きながら。

それに合わせながら彼は今度はヘヴィなフレーズをアンプから放つ。


うん、やはりこっちだなと彼は実感する..。


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