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2011/09/18(日)
赤提灯。
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秋だというのに容赦のない暑さで…。原稿の進まさに避暑に逃走。今回の森銀は軽めの話になりそうです。うっすらびいえるちっくで書いてる自分がちょっと首を傾げる(笑)。
----- 規定や規則、マニュアルがあるわけでも誰かが教示を施してくれるわけでもない世界、頼り、研鑽すべきは己が才のみという裏社会において、平井のような先人には学ぶことは山ほどある。生活の言行ひとつ、心構えひとつでも多くを吸収出来る環境は天から振り落ちてきた幸運と言えるのだが、それも森田のもつ運の力だとすれば、たいした強運なのかもしれない。 ともあれ、平井銀二名義のマンションで、供に森田鉄雄が生活を始めてからだいぶ月日が過ぎ、季節も移ろい、それとなく互いの生活の呼吸や均衡の取り方を理解し始めて、慣れてしまえばその生活はなかなか悪いものではなかった。人生において大部屋や共同生活を若い頃に経験した平井と違って、兄弟も無く両親も他界している森田は一人での暮らしが長かったので、初めの頃は歯車の噛み合わない所もあったが、そこは若い分森田は順応する能力があったようだった。人の待つ部屋の灯り、語りかける相手のいる食卓、時には気紛れに二人でテレビで放映された下らない映画に見入ってしまったりだとか、互いにそれまでには経験してこなかった出来事に、快不快を含め何かと面白さを感じていた。 その晩は一足先に夏の訪れのような気温になった日中の熱が夜になっても下がらず、肌にぬるんだ空気が部屋に漂っていた。 冷房を使うにはまだ早く、森田はリビングの窓を開け放っていた。マンションの住人達の生活の音が微かに伝わって届く。ベランダを歩く足音、明るい笑い声、電話でもしている誰かの低い声の音、人々の生々しい日常が宵闇の中には溶けている。 先程帰ってきた平井を迎えた時に、一瞬漂った独特の甘い香りに、森田は自ら知らず眉根を寄せていた。平井は森田の視線に気付くと、一言「仕事だよ」と企みを含んだ笑みを見せた。常の色の濃いシャツではなく、どこか上品な色合いの仕立ての良いスーツに身を包んでいる平井が、芝居めいた仕草で銀髪を梳きあげると、そこには物腰のやわらかそうな名も知らぬ壮年の紳士の顔が表れる。仕事で幾度かこんな変装をする平井を見たことがあるが、どの顔にも森田は驚かされてばかりだった。 彼は身分を偽る為にと、相手がそうと望んだ姿に身を変えられる。この姿に、残された強い甘い香り。想像は簡単で、彼にそうあれと望んだのは女で、しかも既に寝た関係。ここ半月ほど外出と外泊が続いてほとんど姿が見えなかったのは、それでかと森田は納得した。
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赤提灯、開きました。 本日はカマスとホタテ祭り。板場はおなじみ井の頭すわんさん。 ホタテは、殻付きは焼いてめんつゆとガーリック。ムキホタテは刺身と天ぷらでv。うまー!。ムキホタテさんは最高サイズのものが余っていた恩恵を受けました。ひゃっほおお。むちむちもち肌祭り!。内臓と紐も楽しみたい方は殻付きがいいと思います。1枚から買えてリーズナブルです。私は紐大好きですv カマスは塩焼きと天ぷら。 塩焼きは身の繊維がほろほろに解けて旨し。塩焼きを勧めてくれた担当Hさんに感謝。 カマスさんは秋刀魚に比べてワタが少なくてびっくりでした。 井の頭さんのうりずん豆もカボチャも天ぷら。これがまたうまいのよー。じたばた。
二人とも原稿やってたんですけどね…。
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