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2007/12/21(金)
べんとばこ
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大須の骨董市で『ウルトラマンタロウ』のお弁当箱を買ったんだー と話したら、 わたしね、こんなんまだ持ってるのよ、 と、よーこさんが見せてくれたお弁当箱。 幼稚園からの愛用品。 病弱だった母に代わり、詩人だった父が毎日お弁当を作ってくれたのー と、大切そうに掌に包み込んだ。 これはもう一生物。
目の前のよーこさんの、幼稚園時代の姿をわたしが知るはずもないのに、 小さい指先で箸を使い、美味しそうにお弁当を食べている女の子の様子が浮かぶ。
あー、そうそう、 わたしが使ってたお弁当箱は、なぜか『マッハゴーゴー』の男の子用だったんやよ。 家を立て直したときにいろんな物たちが捨てられて、 今はもう、リカちゃん人形や魔法のコンパクトと一緒に、心の箱の中にしまわれてるけど。
でもそれが、ずーっと忘れられなくて、 きっと、母のお弁当が忘れられなくて、
人が見たらただのガラクタにしか見えない、 園児用の小さいお弁当箱を買ってしまったんやと思う。
ねぇねぇ、今度これとそれを使ってお弁当を作ろうよ。
うんうん、で一緒に食べようか。
寒い夜のあったかい会話。
あなたのお弁当物語はどんなんやろう。
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