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2007/04/26(木)
風景
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ある夕暮れ、 友人を車の助手席に乗せての帰り道、 とある工場の界隈の道は、ずっと車が連なっていた。 今日一日の仕事を終えて帰って行く人たち。
『いいなぁ・・・』と、友人。 わたしよか年上の友人は、3人姉妹の末っ子、父親は工場で働いていたらしい。 月曜日から土曜日まで、早朝よりトーチャンは働いて、 夕方になると帰宅して、家族揃って晩ごはんを食べた。 『ビンボーやったけど、みんながビンボーやったで気にならんかったの』
今、彼女は熱血仕事人のご主人と、立派な邸宅で暮らしている。 そのご主人は来月より大阪に単身赴任。 毎日の残業は当たり前、単身赴任は数えきれない。 『結婚してから一緒に居た時間ってどれくらいかなぁ?』と、笑う。
一人でお守りするには大きすぎる家。 団欒を求めて買った炬燵の出番はないまま。
『モノを手に入れることにはもう飽きたわ』 決して傲慢に生きていない、人生の先輩である友人の言葉は心にしみた。
夕暮れが近づくと、 あ、トーチャンが帰ってくるっ! そのなんの特別なことやない日常の生活を想ってみる。
ビンボーってなぁに?と考えてみる。
夕暮れに。
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