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2007/04/27(金)
キャラメル
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ちょっと気取ったレストランに招待して頂いたときのこと
窓の外の中庭には噴水があり、 心地よいクラッシック音楽が静かに流れている。 上質なテーブルクロス、よく磨かれたグラス、フォーク、ナイフ、、、 その世界は、切り取られた別のもの。
まだ若いウエイターが運んでくる料理は、どれもが見た目、味ともに抜群、、 背筋を伸ばして一礼、丁寧すぎるくらいの料理の説明、、
こちらも微笑んで耳を傾けて、、、
たハズが。
ん?ちょっと、
ふいに、わたしはプッと吹き出しそうになる。
『こちらの〇〇は、高級〇〇を使用しました〇〇でございます』 そう、ウソみたいやが、、 《高級攻撃》 パンにつけるオリーブオイルまで、高級なエキストラバージンオイルと、 《高級》という言葉をくっつけてくる。
ずーっとずーっと。
わたしはなんや《高級ごっこ》をしてるような気分になった。 そう、お店に招き入れられたときから、 わたしを含めての《ごっこ》は始まっていたんや。
できるかぎりの優雅な立ち振る舞い。 話し声も静かに、、岐阜弁は喋らない。 パンは一口ずつ、ちぎってバターをつけ、食べる。
そうして、2時間が過ぎた。
『ごちそうさまでした』
ふんわりとショールを肩にかけ、お店を出た。
あ、 心のポケットにキャラメルが入っている。
もしかして、人生は、 《ごっこ》の繰り返しなんかもしれん。
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